いつも心にときめきを

いま電車の中です。


席に座って本を読んでいたら、とある駅で私の隣に男性が座ってきました。
男性は体が大きいらしく、成人1人分は空いていたその席へ、申し訳なさそうに大きいおしりをねじこんできました。私は本から目を離さずに少しずれました。
すると、本の文字を追う視界の片隅に、その男性の手が見えました。膝の上でグーにしているその手は、まるでクリームパンのようでした。
私は「拳がクリームパンだなんて、伊集院さんみたいだな」と思った次の瞬間、ハッとしました。「まさか伊集院さんなのでは・・・!?」
そう考えたとたん、急に緊張してきました。「どうしよう、まずは馬鹿力を聴いてるって言わなくちゃ。それからサインは・・・手帳にしてもらおうかな。でも今話しかけたら迷惑かも。降りるのを見計らって・・・」 チャンスを逃すわけにはいきません。
ファン計画をぐるぐると脳内にめぐらせながら私は、ゆっくり顔を上げました。向かいの窓に、ニヤついた私が映っています。


私の隣には、体の大きい、白髪まじりの、知らないおじさんが座っていました。


毎日、楽しいです。