ISETAN DOOR

 午前中、クール便でISETAN DOORが届く。わたしは音声会議中だったので夫が宅配受け取りおよび冷蔵庫への格納を済ませてくれていた。
 在宅勤務中は朝と夕方にタスク予定/進捗報告を軸とした音声会議があり、4月からこれを毎日つづけているのだけど、いまだにおのれの報告内容をまとめずに会議に臨む人がいて会議が無為にのびることがある。言うべきこと、訊かれること、もうだいたいわかるじゃん! その話はチーム全員の時間を拘束してまで話すことか考えてくれ! と短気で雑談が苦手なわたしなんかはカーッとなるのだけど、先方は人恋しくてわざと会議をのばしているのかもしれない。

 音声会議をやっと終えて、さっき届いたもののなかからレモンケーキをとりだし、小皿にのせてアイスコーヒーとともに夫の仕事席まで運んでいって受け取り&格納の礼を伝えた。f:id:hiloco:20200807082912j:plain

 昼はやはりISETAN DOORの中から全粒粉ベーグルというのをつかって夫とともにオイルサーディンサンドをこしらえた。この春、TLで見かけた”新玉ねぎをたのしむ”オイルサーディン丼のレシピをきっかけに初めて使ったオイルサーディン缶だが、今ではこれなしの生活は考えられないくらいの頻度でオイルサーディンが食卓に登場する。オイルサーディン缶は缶ごとトースターで温めるとふっくらほくほくしてよりおいしくなる。この缶ごと熱を加える作業がキャンプっぽいのも好きだ。

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オイルサーディンのベーグルサンド。ポテトに見える添え物はカラムーチョ。

 夕方、業務終了して米を研ぎ、いそいそと『BEASTARS』20巻をiPad ProのKindleアプリにダウンロードして読みはじめる。20巻になってもまだむちゃくちゃおもしろくて、ときに涙ぐみながら読む。それと、今まで電子書籍iPhoneKindleアプリでちまちま読んでいたのが、今回はじめて12.9インチのiPad Proで読んでみたら絵の迫力にも驚いた。それがおもしろくて20巻を読みおえたあとに1巻もiPad Proでざーっと読み返してみた。こんな景色だったのか。原画展をいちど見にいったことがあるが、そのときの感動に近いものがあった。『BEASTARS』は1巻を当時の無料キャンペーンの電子書籍にて読みはじめて、その勢いで電子書籍で揃えてきてしまって、途中なんども「このすごい絵をiPhone画面で読むのは忍びないな……紙で買いなおすべきか……」と思いながらも、単行本がでるスピードも異常に速く(週刊連載を追った経験が少ないのだがこんなものなのだろうか。しかしあの描きこまれた絵とストーリーでよく週間連載がつづくものだ)それを考えると家の収納スペース的にやはり電子書籍で追うしか……などとどうでもいいことでずっと悩んでいたが、それが一気に解決した。改めて読みなおしていく楽しみができた。


 夕飯はタコライスとコーンスープ。これもISETAN DOORに入っていったOisixのミールキットにて。驚くほどおいしいというわけではなく、まあ、想像どおりの味なのだが、その料理の材料や作り方を手軽に把握できて、「その食材が手に入ったときの献立候補」が増えるのがいいなと思って使ってみている。やみくもにレシピ検索するより、体験したことある料理のほうが献立に組みこみやすい。コーンスープは想像していたのとはちがうサラサラした、夏むきの味でこれは気に入った。
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晴々とした心持ち

 15時半まで自宅で仕事、そのあと会社へ物理的に出勤。
 在宅勤務制をつづけてくれている勤め先は、この禍の長丁場において、オフィスを固定席制から自由席制に変えたという。休憩スペースをつぶし、そこに個人ロッカーを並べたとの案内がきたので、おのおの、かつての自席からロッカーへ私物を移動して席をあけるために会社に出向くことになった。
 自宅から会社まではドアツードアで片道1時間。新宿も通る電車に乗ることにやや気を重くして家をでたが、夕方より少し前のぽっかりとすいた電車から見える夏の景色がなんだかよくて、マスクのくるしさも忘れてしばし窓の外にみとれた。JR市ヶ谷駅をとおり、釣り堀が見える。ぽつぽつと距離をとりながらもそれなりに客が入っているように見えた。

 私物はもうほとんど会社に置いておらず、1冊のリングファイルとひざかけ、数点の文具などを自席から個人ロッカーに移動して、自席まわりを掃除し、出勤の目的が終わる。
 これだけのために、とは思わなかった。なんなら良い気分転換になった、ぐらいに晴々とした心持ちで部屋を出て洗面所で手を洗い、手の甲の骨の出たところでボタンを押してエレベーターを呼び1階へ降りてビルを出る。17時過ぎだがまだムッと暑い。とぼとぼ歩き、歩道橋の上の、まもなく駅が見えてきたあたりでふと、最後の退室時にドア横のセンサーにカードキーをかざすのを忘れたのではないか、と思えてきた。
 勤め先は、その人物のカードキーで「入室」の記録があった場合、同日の最後が「退室」の記録になってないとセキュリティのなんかがアレしてアレするようになってるらしいのだ。で、基本的には部屋を出るときもカードキーをかざさないとドアがあかない仕組みなのだが、きょうは、部屋の中からはカードキーがなくても出られる来客向けのきれいなドアから出てきてしまった気がした。自席から遠いしお客様の出入りがあるしで、通勤していた頃はめったにそのドアを使うことはなかったのに。部屋を出たときのあの晴々とした心持ちは、来客用ドアの新鮮さによるものだったのか。

 この歩道橋から職場フロアまで戻るのに、7分ちかくかかるな……と一瞬ためらう。だがセキュリティのなんかがアレして、それが理由で無駄に対応に追われる人が出たり、自分が怒られたりするのはいやだ。会社へひきかえす。粛々とビルに入りエレベーターのボタンを手の甲の骨で押し職場フロアにあがりカードキーをかざして入室し、くるっと振り向いてカードキーをかざして退室し、手の甲の骨で以下略。ビルを出ると、もういくぶんか涼しく感じられた。帰りもJR市ヶ谷駅の釣り堀に客がいるのを見とどける。

* * *

 夕飯は玉子とオイルサーディンいり野菜炒め、商店街で買ったメンチカツ、カラムーチョ、トマト。商店街は今週からまた”都の要請に応じて“なのか、休業に入る飲食店が増えてきた。
 
 iPad Proに保護フィルムを貼る。今回買った保護フィルムは、フィルムを貼る際のさまざまな障壁(ホコリや気泡が入る、フィルムがずれる)に対して至れり尽くせりなフィルム貼りキットが同梱されており、ひどく不器用なわたしでもなんらケチがつかずに貼ることができてありがたかった。保護フィルムも貼って、いよいよiPad Proと本気で向きあえる。


 小田扉『横須賀こずえ2』、大橋裕之『音楽』、クリハラタカシ『冬のUFO・夏の怪獣』(途中まで)読む。まだ読みかけだけど『冬のUFO・夏の怪獣』すごく好き。高野文子のような軽さと技巧と可愛さと飄々がある。1コマ1コマが絵はがきのようでもあり、人に贈りたくなる本だ。

音楽 完全版

音楽 完全版

  • 作者:大橋裕之
  • 発売日: 2019/12/09
  • メディア: コミック
nanarokusha.shop

初日からあまり時間をかけすぎないほうがいい

 「これを機にまいにち日記を書くぞ!」と意気込んで、三日坊主にならなかったことに安心してその四日後にきれいさっぱり書かなくなった。あっという間に四ヶ月が過ぎ、日本は四ヶ月前よりもっとひどくなっている。きょうは大阪府知事が「うがい薬がウイルスに効く」という会見をおこなうや否や うがい薬の買い占めが広まった、という話題でTwitterが荒れていた。あの府知事の言うことを今もなお信じられる理屈は信じている人にしかわからないが、熱く強くいびつな信念をもち、命を懸けてその騒ぎにとびこんでいく人々の様子が祭りのようだなと思った。


 iPad Proを買った。Apple PencilとMagic Keyboardも買った。使い慣れるためにまた日記をつけてみようと思う。
 昨年5月にMacBook Airを手放して以来、一年以上、iPhoneだけで私用インターネットを乗りきってきた。春に七日間だけつづけた日記も、iPhoneからちまちまと打ちこんでいたのだ。八日目の日記をちまちま長々と書きあげた際、それも更新し……たつもりだったがうまくいかなかったようでなぜか文章の半分が消えており、それでいやになって、日記を書かなくなった。

 また始めるなら初日からあまり時間をかけすぎないほうがいい、一日のすべてを書こうとするなよ……と思って書きはじめたのに、この文章の今この時点で、ブログの入力フォームをひらいてからなんと2時間近く経っている。まだ今日の自分についてなにも書いてない。
 無為に時間が消えた理由はiPadOS13.4から搭載されたらしい「ライブ変換」という機能にまるで慣れることができないからだ。打っているそばから、スペースキーを押さずとも文字がどんどん変換されていってしまう。頭で考えていた表記でない文字列にどんどん変換されていくのを虫を払うようにスペースキーで本来の文字になおそうとしているうちに、自分がなにを書こうとしていたのかわからなくなる。とはいえ、この機能がのちのスタンダードになるのなら、今のうちに慣れておこう……と2時間つきあってみたが、だめだ、酔ってしまった。今、ライブ変換機能をオフにした。
 Instagramがいつからか時系列でなく独自アルゴリズムとやらの表示順になり、それを時系列順に切り替えることができないと知ってからInstagramのアプリを消した。酔うのだ。厳密に投稿時間を知りたいわけではないが、無意識下でスクロール操作に時間の流れをのせているのだと思う。子供のころ、船や車や電車にすら酔っていた。どうやら自分でハンドルを切れない、あるいは把握しきれない状況に体がとまどうらしい。大人になってからは電車はもちろん、車や船にもそれほど酔わなくなったのは、その乗り物が走る道のりをすこしは把握するようになったからかもしれない。

 もうライブ変換機能はオフにしているのに、それが肌にあわなかった理由をダラダラと書いていたらここまででさらに45分経った。あいだにトイレにいったり歯磨きをしたりしたから、というのもある。脱線ばかりして、書いてる途中で飽きて、日記を書くのにむいていない。夕飯は焼きとうもろこし、じゃがバター、塩焼きそば。比喩でなく祭りに行きたい。そのあこがれを献立にぶつけた。