めちゃイケ 春はあけぼのSP ヨモギダ少年愚連隊

なんかもうここに来るまでが長すぎて、食いついて見るようなボルテージはほとんどなくなっていたし、もともと私はあまり素人(エキストラ含む)を扱う番組が好きではないので1人の男の子の進路云々で何週も引っ張るのはどうなのかなー・・・と思いながらも妙な義務感で毎週の経過を見ていた。でもスペシャルにしただけのことはある。見て良かった。
この番組はいろんな見方があると思うけど、私がめちゃイケを楽しんでいるところは、丁寧な演出と出演者・スタッフの根気、そしてなにより、この気持ちがいいほどの豪快な金の使いっぷりだなぁと実感。
久しぶりに対面したヨモギダくんと岡村さんがお約束の対決のくだりになり、その対決方法は従来のような柔道ではなく、なんと数取團だった。一見、番組手持ちのネタでお安く済ませるのかと思いきや、どこぞの野球場に数取團メンバー(めちゃイケ男子全員)がバイクで乗りつけ、しかもトラック40台で数取團のセットを丸々運んできていて、その野球場のど真ん中にスタジオとまったく同じセットを組み立ててしまっていた。普通に考えれば、ヨモギダくんをスタジオに連れて行っても同じ状況は作れるのに、なんたる無駄遣い。素敵すぎる。
2年かけての収録やつんくを巻き込んでのプロジェクト、ドッキリにまことが参加、ネタばらしにダンディ・テツトモ・はなわの3組を使い、ヨモギダくんのまわりの人たちにも協力を得るなど、何が豪華で何が豪華じゃないのか判断力を失う、というかひとつひとつのネタでも番組が1本できるだろうというのに惜しみなく前フリとして使っていて、これはどんなオチが来るんだろう、と状況が豪華になるほどワクワクした。
エンディングが近づき、主人公のヨモギダくんが彼の父親にあてた歌を唄い、それを聴いた父親が目を潤ませて「伝わるものがあった」とつぶやく。うしろで親子の様子を見守っていためちゃイケメンバーが、良かったね、親子っていいね的な喜び方をしている際、ふと異変に気付く。 怒り心頭で佇む雛形あきこヨモギダストーリーが始まるきっかけとなった雛形を最後に彼の中の青春の女神として出そうとしていたのだけれども、出すタイミングを図りすぎて出すこと自体を皆が忘れてしまった、というオチ。で、雛形が加藤浩次並みに怒りまくるのがおっかしくてしょうがなかった。なぜか怒りが頂点に達するとムーンウォークなどマイケルジャクソン式ダンスをしたり、使い慣れない関西弁で怒鳴り散らしたり「離婚した人間はからみづらいってか!?」と屋上のフェンスに登ったりと爽快な雛ちゃんの暴れぶり。 あんなに時間とお金と労力をかけて、こんなにくだらなくてベタベタなコントに仕立てるなんて、本当に素晴らしい番組だと思う。
あと、オープニングで岡村さんが「ヨモギダ、倒したる」とかなんとか言ってボクシングで殴るジェスチャーをしていたのだけど、途中からやられまくるジェスチャーに変わり、最後は倒されうつぶせになってピクピクしているという昨年末の曙の模写をやったのが素敵だった。その流れで「春はあけぼのスペシャル」と番組タイトルが打ち出されたのにも拍手。