チューケン4(前編)

地味だけどやはり安定した面白さの番組でした。伊集院光さん(芸歴18年)、勝俣州和さん(芸歴18年)、出川哲朗さん(芸歴20年)、磯野貴理子さん(芸歴19年)が中堅の立場について語り合うという形式。興味深かったポイントをいくつか。

  • 冒頭、「引き立てなきゃいけないメインがいないから全然緊張しない」とリラックスする貴理子さんに対し「いつも気を遣い慣れてるから、かえってメインがいないことに緊張する」と汗だくの伊集院さん。「軸がいないっていう不安感ね!」(勝俣)
  • 4人が昨年1年間に出演した番組本数は1427本(4人合計)。毎日この4人のうち誰かは目にしていたわけか
  • なんだかんだで番組が進み、位置的にカンペの指示に従って次第に仕切りだす伊集院さんに「ああ、この4人だと司会は伊集院くんなんだ」(磯野)
  • 一般視聴者から認められてるタレントは「さん」付けて呼ばれる。「以前、ディ○ニーランドでロケしてたら、一般人から『オイ!出川殺すぞ!』って呼びかけられた。夢の国なのに」(出川)
  • 電波少年が放送されてる頃、伊集院さんは松村邦洋さんと間違われてチーマーに追いかけられたことがあり、人違いだとわかったときは「すみません、松村だと思ったもので・・・」と謝られたとのこと。 「芸人の立場を低くしたのは電波少年だよね」(勝俣)
  • 昨年の長者番付にランク入りした磯野貴理子の『行列のできる法律事務所』1回分のギャラは2500円
  • 番組趣旨からすればこの『チューケン4』の4人のギャラは同じはずだろうと話す中、番組プロデューサーが「皆さん違うと思います」と爆弾発言。「ちょっとちょっとー!?」と立ち上がる4人
  • 中堅はブームを起こさない、ブームに乗らない。ブームには終りがあるから。もしブームの流れに自分が含まれたとしても、おとなしくやり過ごす。「うんちくブームは早く終われって思ってた」(伊集院) 「みんなが『シャー!』って言い出したとき、俺はもう自分では言わなかった」(勝俣)
  • 中堅について語り合うはずが、いつのまにか話題がどんどん脱線していく4人。いつのまにか夫婦仲の話題にズレているため「中堅の話に戻してください」とカンペが。 「中堅は飽きっぽいんだよね。カンペも見ない。見てたらもっと成長してるし、見てもすぐに理解できないから見なかったことにするもん」(勝俣)
  • 哲ちゃんの人生のターニングポイントとなる出会いは10年ごとに来るんだそう。19歳で内村&南原の2人に出会って芝居に目覚め、29歳でビートたけしさんに出会って笑いに目覚め、39歳に今の奥さんに出会って結婚に至ったとのこと。そういうふうに信じてるからチャンスに変えられるんだよね
  • 中堅は、収録中に「ここ使われるな」「これはカットされるな」というのが勘でわかってくる。「『使われる』と思った瞬間、中堅は『ちょっとー!?』と立ち上がる」(勝俣)
  • CHA-CHA時代、勝俣さんが「自分はグループの中でツッコミ役だけど、メンバーをツッコめばツッコむほど(イジメているようで)人気が落ちる」と悩んでいたとき、欽ちゃんが「だからこそツッコミ役は、優しい人にしか務まらない。普段から優しい人になりなさい」と諭されたんだとか。 本当にそうだよね。テレビを見ていて「この人、ツッコミうまいな」と感じるとき、やっぱりその言葉や動作にボケた人への愛情が見えるもの。 「さんまさんとか紳助さんみたいに腕と愛がある人は、善後策を持ってるからスベってもそれさえ笑いにしてくれる」(伊集院) 「愛のない司会者は無視してくる。無視が一番こわいもの」(出川)


番組の感想としては、まず、4人とも声がでかい(笑)。あと、この4人の中で貴理子さんと哲ちゃんは自由型、伊集院さんとカッチャンはアシスト型という感じで、特にカッチャンは使われるカットに存在するのがうまいと思った。声やアクションが大きいのもあるけど、長い話はせず「つまり○○は△△なんだよね」と内容をまとめた格言や定義をズバッというから、カッチャンの一言で一区切り、という流れが多いような。虎の門の企画とか見てても、さりげなく企画を楽しむコツを言ったり中心人物の戦略分析したりしてるもんね。
まだまだ書き足りないぐらい濃い内容で、すごく面白かったです。この番組を企画した人たちは本当にテレビが好きな人たちで、「面白い番組が面白い理由」について愛を持って考えている人たちだなぁと思ったよ。
来週はこの4人が街に出て「世の中の中堅」を探すらしい。

  • 追記

テレビ欄でこの番組の出演者、誰の名前が載って誰が「ほか」になるかで中堅の中でもランクがわかる、という生々しい話に。ちなみに私が最初に確認したYahoo!番組表では「チューケン/磯野貴理子 ほか」となってました。どうですか。