杞憂

id:sahyaさんが『レンズ』をご覧になったそうだ。
本日まで東京公演がおこなわれているという、第4回小林賢太郎プロデュース公演のことである。
私はとうとう観ないままだった。

どうしてこの方は1度ですべてを言い得てしまうのだろう。
読み進んでいくほどに、わかってもらえた嬉しさや、見透かされているような恥ずかしさ、追い抜かれたような妬ましさが胸の内でないまぜになって、どうにも明け方から気が急いてしまう。



ところで、作品中には「説明不足」というキーワードが盛り込まれていたらしい。


ラーメンズファンは、・・・少なくとも当時の私は、この「説明不足」をおまじないのように、スローガンのようにつぶやきながら、ラーメンズのコントの情報不足の色気に酔っていたように思う。
コント作品においてもラーメンズという活動に関しても、小林賢太郎は見事に観客へ「想像の余白」を与えてくれて、幕を閉じられた我々はいつも、次の本公演までの長い長い時間を、その余白に自分なりの答えを描いていくことで埋めていたのだ。


表現活動のコンセプトを作品中のセリフに使うだなんて、タネ明かしをネタにしているようなものじゃないか。
大丈夫なのだろうか。