投票レポ

行ってきました、期日前投票。結構混んでいました。


行く前は「誰に」「どこに」投票しようか決めかねていてものすごく憂鬱だったのですが、本日の昼食時、両親とカレーを食べていたときにふと選挙の話題になり、その際、自分が各党に持っている印象などを素直に話したところ、思い込みを解いてもらったり知らなかった事情をいろいろ教えてもらったりしたので、頭の中に新鮮な風が入って少し気楽になりました。
選挙のルールとしてはもちろん、誰に・どこに投票するか・したかなどは一切訊いてはいけないし言ってはいけないのですが、こうして自分が漠然と抱いている印象などを思うままに誰かと話してみるのは有益かもしれません。


私の住む地域では期日前投票は区役所でおこなわれています。
投票所の手前には無料配布の「参議院(東京都選出)議員選挙公報」が置かれていたので、それを一部取って投票所前のソファに座り、ゆっくりと広げました。
この投票所前で改めて、もしくは初めて投票先を考える人も多いようで、私と同じ体勢の人が数人いました。


で、ですね。


この選挙公報がとにかく面白い。
立候補者がどんなメンツであるか、ニュースを見ない私にとってはこの選挙公報による情報がすべてなわけであるわけだけれども、とにかく文字情報というのはその表現者(=立候補者)自身の価値観が凝縮されていて、いろんな意味で読み甲斐があるものだと感じたよ。


公報紙を開いてまずはじめに飛び込んでくるのは、諸サイトで大いに盛り上がりを見せていたあの人の声明文。
これを読むと、選挙に立候補できる条件がいかにゆるいか万人に対して平等であるかということを改めて思い知らされることうけあいだ。 ちゃんとした手続きさえ取っていれば選挙管理委員会も「あんた、なんか危険だから出ちゃダメ」とは言えないものなぁ。
そしてこういう立候補者は、ただ笑いの対象となるだけには終わらず、別の意味でも私たちに選挙の意味を教えてくれる。 「放っておけば、万が一・・・ということもあるやも」と、我々の危機感を煽ってくれるという意味で。
つまり選挙とは「誰かに投票する」という行為と同時に「その人に投票しない」という意思をも伝えられる、非常に重要な機会なのであります。
何が言いたいのかおわかりだね。


それから、まぁ名前を伏せても某元放送作家タレントといってしまえば意味がないのだけれど、この人自身の政治的才能は別として、やはり職業柄、声明文はとても読みやすくて「おっ」と目を引いた。
参議院とはどういう立場であるか、そしてその参議院議員に自分はどういう理由で向いているかなどを簡潔に、リズム良く書いている。
他の候補者がやたらめったらゴテゴテと巨大フォントでかましたり、イラストで親しみやすさをアピールせんとしても、皆が揃って同様の手法を使えばこれは単なる統一性のない図柄となるだけ。 そこへ来て彼のシンプルな構成の声明文は最も"広告力"があるように見える。
ただ文末に来て少々遊びすぎともとれるアクセントを入れており、これが選挙以外の"広告"であれば「ハハハ、うまいトコ突いたね」と笑い飛ばせるものを、これによって「ああ、そういえばこの人は・・・」と過去の彼の行政手腕などを思い起こされて、まぁそういう意味でも声明文というのはウソを書けないものなんだな、などと感慨深くなった。


他にも興味深い声明文はちらほらあるのだが、これ以降は皆さんご自身で手に取って確かめていただきたい。
そしてさんざん楽しんだあとは、気持ちを切り替え、「誰が・どこが設計する船なら乗ってもいい」と思えるか、もしくは「誰が組み立てた飛行機には乗りたくないか」などをよく考えて、お持ちの選挙権を十二分に活かしてきてくださいますよう。若輩者が偉そうにすんませんが。


ま、こればっかりは大人の義務*1であり愉しみですので、羨ましく思った10代のお子様たちは大人になれる日を夢見て、とりあえずは期末試験にでもかまけてなさい。
そして試験を終えた学校の帰り道、好きな人を自転車のうしろに乗せて「わぁ、入道雲」と夏の空を指さしながら肩に置かれた手が少しくすぐったいな、と照れてみるなど充実の青春時代を過ごしたらいいのだわ。夕立の中を笑いながら立ちこぎで並走するのも可。
二度と戻ってこないんだから。ね?

*1:一応「権利」ですが、実情としては「義務」ですね