舞台版『電車男』

昨晩は、荷ほどき作業も終わらないうちに新宿パークタワーホールで舞台版『電車男』を観てきました。
あのね・・・・・・ものすっごい面白かった!!これで6500円は安い。やっぱり堤さんたちはやってくれた。いろんな媒体で『電車男』が展開されてきたけど、舞台にしか観られない面白さです。爆笑、爆笑の末にまさか泣くとは。
でも残念なことに、チケットはあまり売れてないみたい。「本代や映画料金程度なら軽く出せるし、テレビドラマはタダだから見るけど、6500円出してまでは、なぁ・・・しかも、いいかげん食傷気味」という感覚の人が多いんでしょうか。はっきり言えば、私もそうでした。「もともと著作権の存在がないような掲示板上での会話を商品化するなんて、まったくオトナはたくましいよな卍」と、あまりいい印象ではありませんでした。応援してる佐伯新さんが出るから観にいくけどさー、ぐらいで。
でもね、やっぱり、ドキュメントだからこそ、みんなが知ってるからこそ、書籍化したり映像化したり漫画化したり舞台化したり、、手を加える人の才能が問われるんだよなぁ、と実感。公演パンフに掲載されていた武田真治さんの言葉に「脚色は芸術ですね」とあったけど、本当にそう思います。
■『電車男』公式:http://www.densha-otoko.jp/
あとで時間できたら詳しく書きたいんだけど、とりあえず。

  • まず、セットが面白い。電車男の部屋を中央に、両端に各3階ずつの毒男部屋タワー。掲示板での会話はもちろんセリフとして交わされるんだけど、みんなが手元のPCに向かってしゃべっているので(互いの顔や姿を見ないので)間合いとか難しいだろうなぁ、と。セリフもめさめさ早口で多いし。 舞台下手の3階にいた佐伯さんが、3階なのに派手に暴れててヒヤヒヤした
  • 舞台だからできること。具体的な有名人の名前を出したり、具体的な商品名や店名を出したり、アドリブがあふれたり・・・。一部、モロ師岡さんに大喜利回答的なアドリブを課しているところも?あと、河原さんもけっこうアドリブ飛ばしてた気がします。あれだけセリフが詰まってるのに、流れを乱さずにすばらしい
  • 舞台中央にスクリーン。ここにみんなの書き込み内容やアスキーアートが映し出される。そのほか、「ググれ!」「ヤフれ!」の声で、実際の検索結果ページを映し出す、なんてのも。映像は大根さんが作ってるらし
  • 秋葉モードからデートモードに変身した電車男武田真治)に、客席から「ホゥ・・・」とため息が漏れる。男性客からも。美しすぎて!!目ヂカラが強すぎて!私も思わず毛穴がひきしまり、姿勢を正してしまったし、会場の一部からは拍手も
  • 変身後の電車男は、変身前の野暮ったい“ザ・視力矯正”なメガネから、細身の黒いセルフレームに。「ぎゃっ」と思わず声を出す私
  • デートから帰ってきた電車男が、毒男たち(掲示板仲間)にデートの様子を報告するシーン。客席に降りて来たシンディーが、初めて手をつないだといってエルメスの手の感触を説明。説明しながら観客のひとりの手を握るのだけど、それに選ばれたのは男性で、シンディーに手を握られている男性はもんのすごくうれしそうではずかしそうで恋する乙女みたいにシンディーのことを見つめていたのに会場が爆笑。シンディーが男性の手を握ったりさすったりする時間がけっこう長かったので、男性は途中からシンディーの目ヂカラに耐えられなくなったのかハンカチで口元をおさえて目をふせながら、でも手はシンディーに預けたままというポーズになり、より乙女っぽかった(笑)
  • 公演パンフレットでは出演者たちへのアンケート回答が掲載。その中で、音楽を担当した元チェッカーズ武内享さんが“インターネット美談”としてこんな話を。「以前、ライブのチケットが転売業者にごっそり回収されてしまったとき、ファンの子が自分のホームページってチケットを定価で譲り合いしていたのを見て嬉しかった」*1 ←これ読んで、ちょっと感動しました
  • 毒男1役の鈴木一真さんが壊れまくってます。普通の言葉はしゃべらない。2ちゃんねる用語の単語のみでしか話さないのが「わー・・・」という面白さ。
  • 毒男2役のモロ師岡さんが最高。興奮するとキーボードを手のひらでバンバン叩いて書き込みしたり、部屋のわきにあるハシゴを使って逆立ちしながら書き込みしたり、ギターで『禁じられた遊び』を弾きだしたりと、モロワールド炸裂
  • 舞台版では、ストーリーの進行は河原雅彦さん演じる毒男6が担っている。毒男6はエリートサラリーマン、はじめのうちはリードオンリーで電車男や熱っぽく書き込む毒男たちを鼻で笑いながら高みの見物。それがだんだん放っておけなくなって・・・という展開
  • エルメスへの告白を控えて、急に自信をなくす電車男。恋をしてから、コミケにいっても同人誌を欲しいと思わなくなった自分にショックを受けている様子。このまま嫌われない努力をしつづけても自分を失うだけではないかと自己変化を恐れているらしい。それを毒男たちが「変わるのは怖い、でも変わらないのはもっと怖い」「変わらないということは、自分の周りに檻ができていくということ」「自分が変わるきっかけをつくったのは、変わる前の自分。だから大丈夫」と声をかけるシーンに涙
  • ぜんぜん気づかなかったけど、上演時間はおよそ2時間半です。ぜんぜん気づかなかったけど。

まだまだ書き足りないけど、まぁそんな感じです。
カーテンコールを2回終えて会場に照明がついてもまだ拍手が鳴り止まなかったし、ロビーに出たらパンフ売り場に列ができてました。
ロビーでは「リピーターズチケット」ということで、また観たい人に500円引きでチケットを販売していました*2。私は、ぜひもう一度!と思いつつも、スケジュール的・経済的都合でその場の購入をあきらめました。でもやっぱりもっかい観たい。東京は27日まで・・・うーん、それまでになんとか!
あ、東京公演終了後は各地にまわるらしいので、興味を持たれた方はぜひに!

*1:いま手元にパンフ無いので、大まかな内容デス

*2:つまりそれだけ売れ残っているということです