マインド・ゲーム

8/11(水)の夜に観てきたのですが、1日かけてもまともな感想が書けませんでした。何を書いても薄っぺらくなるような気がしたし、活字は冷静すぎて、興奮が浮ついて映らないか心配で。
でも1人でも多くの方にこの映画を体験してほしいので、参考になるかわかりませんが、まとまらないままの感想を書いておきます。

あらすじ
屈辱的な死を遂げた男が、己の死のあっけなさを未練に、根性で現世に駆け戻る。これからはどんな逆境も全力で走り抜けてやろう。そうして2度目の命を暴走するも、しかし今度は大きな闇に飲まれる男。 それでもポジティブ、ポジティブ。運命なんて己のマインド次第や。この闇かて、気持ち切り替えればパラダイス。
そやけど・・・せっかく根性で生き返ったのに、このまま刺激のない闇の中に居続けててもええんやろか。
一方で、この享楽の闇も永遠ではないらしく・・・。


話題の映像は評判以上に素晴らしいし、吉本興業メンバーの声&実写出演も面白かったです。 だけどそれらは作品世界へ導くための派手なカーニバルに過ぎず、マインド・ゲームの中にすっかり入り込んだ頃には、映像もシンプルになっていたように思います。
祭りを見送ってぽっかりと空いた穴に、今田耕司の朴訥な声とひねらない直球の言葉がグッと刺さり、それが咽喉(のど)のあたりまでえぐるので、悲しいとか悔しいとかいう感情を頭で考えるよりも先に涙腺がウワッと破れました。
また、映画のところどころに挿まれる登場人物たちのフラッシュバックのひとつひとつが、日本人の、人間の細胞に刷り込まれている情景を描いていて見事でした。 できることならセル画を一枚一枚挙げて「私はこの画のときにこう感じた」と野暮ったく説明したいところです。でもできないし、しません。時間が流れるから人生は面白いのだし。


「生きたい」エネルギー。
あんなに躍進的な映像技術で描いたテーマがこんなに原始的だなんて。


嗚咽が止まらなくて苦しかったです。 脳ごと内臓ごと洗われた気分です。 体と心の毒素がみんな涙に溶け流されて、そんな涙が通ったからなのか、しばらくまぶたがヒリヒリと痛みました。

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