ジャルっ10じゃねえよ!

コンビ結成10周年記念の全国ツアーだそうな。ジャルジャル単独ライブを観るのは2回め。前回行ったのは2011年1月だったかな。
雑感。ネタには触れません。

  • まず結成10周年のお笑いライブで全国ツアーをおこなえることがすごいよね。ロンドン公演も2回やってるらしい彼らだけど、国内のそれぞれの地でお客さんを集めるというのは、私としてはロンドンでライブやることより大きなことに思える(いや、ロンドン公演を2年連続でやってるのもどえらいことだよ)。しかもツアー初日が北海道で、順当に南下して千秋楽が沖縄(ホームの大阪じゃない)ってことにもじわじわと感動している。
  • きっちり2時間に「これでもか、これでもか」と12本の新ネタ+凝った映像ネタのぎっしりライブ。前回観た公演も新ネタ13本+映像ネタ数本だった。ネタが生まれちゃって生まれちゃって仕方がないのだなと目を細めてしまう。
  • 客入れBGMがビートルズ、幕間BGMがチューリップで、これは前回観たときもそうだった記憶が。2人はビートルズとチューリップが好きなのね(ツアーパンフで知る)。狂気あふれるネタの前後にノスタルジック、あるいは王道の音楽が流れるので、コントが終わるたびに夢から醒めたような感覚になった。
  • この東京公演はチケット完売したらしいと、びっしり埋まる席と立ち見の多さで知る。ちなみにルミネtheよしもと、座席数は458だそうな。
  • 客層は10代後半〜20代前半の若い女の子が6割、男性客2割かな。2人のステージ登場時こそ黄色い歓声が上がれど、ネタが始まると素っ頓狂な声を出す子もおらず、みんな低い声で笑い、爆笑は \どっ/ という感じで、お客さんに恵まれているなーとなぜか誇らしくなる。それにしても関東では『めちゃイケ』でしか彼らを定期的に見かけないはずなのに(そして番組内でも特に目立っているわけではないのに)この集客力。
  • 複数のネタを一気に観ていて、ジャルジャルのネタの面白さは、法則性の異質さが多いなと感じる。ネタづくりはどうおこなわれてるか知らないけど、紙に文字を書いていく手法は想像つかない。
  • ツアーパンフが丁寧に作られていて感心。関係者アンケートページにはナイナイ岡村さんや三中くんのコメントも。
  • パンフ、本人たちインタビュー。この10年に特に苦労を感じていない様子で「ネタをやってるときが一番緊張しない」などとあっさりした態度。でも先輩芸人たちの発言を励みにして自分たちのやり方に活かしているのが本当にいい子らだなーと思った。バッファロー五郎・木村さんの言葉なんて、木村さんの人の好さと先見の明っぷりに胸のあたりの温度がぐーっと上がる。NON STYLE・井上さんの言葉も、井上さんのキャラを浮かべると「ああ言いそうだなー(そしてイジられそうだなー)」とは思えど、芸人をやっていくにはすごく必要なマインドだと思う。そしてそれを素直に聞いてちゃんと自分たちの自信の糧にするジャルジャルの可愛いったらないね(←結局ジャルジャルを愛でたい)。
  • 飄々とした2人に対し、ジャルジャル関係者アンケートやインタビューがどれも惜しみなく熱っぽく彼らを絶賛している。良い。近しい人たちの評価を見る限りでは、2人とも人間としてわりと非の打ち所がないみたいだ。や、礼儀正しくスマートな子たちだなとは常々思っていたけど、あんな狂ったネタ作りながら人間として困ったところが少ないだなんて怖い!みたいなね。もう「面白いこと考える人は社会的に非常識なところも味のうち」とか通じなくなりそう。
  • 関係者アンケート。ジャルジャル単独に参加して6年になる構成作家和田義浩さんが「ジャルジャルの良いところは、単独ライブにおける怒濤のライブ感。コントのラッシュ。悪いところは、まだ大ブレイクしていないこと」と挙げていて、これにとても強くうなずく。“コントのラッシュ”はまさにジャルジャル単独ライブのキャッチコピーだと思う。
  • 彼らのネタにZOKKONな身としては、いま関東の彼らのレギュラーが『めちゃイケ』だけであることに若干ヤキモキしていたのだけど、本人たちは(インタビュー上では)焦っている様子もなくて“やりたいことはやってるから、あとは日々人に知られていけばいい”という感じ(そういう発言があったわけではなく私がそう感じただけ)。
  • 半端なファンの私が勝手に案じているだけで、彼らは定期的にライブをやっているし、iTunesでネタ配信したり、YouTubeにチャンネル開設して毎日動画配信したり、テレビラジオに限らず最新のジャルジャルを人の目に耳に入れるための実直な努力をちゃんと重ねている。大阪以外の公演のチケットが完売するのも不思議なことではないのよな。
  • ライブに来た人ならわかると思うけど、ああいうネタをやっておきながら、お客さん1人1人への感謝をしっかり態度で示しているあたり、次もまた観ておこうと思えるよね。

ほとんどライブの感想でないけど、ライブは本当に素晴らしかったです。次は誰かを連れていきたいな。帰りにネタの話がしたい。