実況格闘 感謝祭2004

過去3回放送された『実況格闘』の総集編。

  • 実況格闘とはどんな番組なのか?

テレビ・ラジオ局を代表する個性豊かな6名が参加。番組が用意した2分間のVTRを初見で交互に実況。特別・一般審査員の合計点で勝敗を決定する。

  • どんな場面に実況するのか?

祭りの様子や夕刻のスーパーマーケット、変わった結婚式、動物の出産シーンなど、スポーツ以外の映像に対して臨場感溢れる実況を勝負する。

今回は「感謝祭」ということで過去3回の放送の中から名勝負を選んでいた。
たとえば、第1回の放送の第1回戦である青嶋達也(フジテレビ)VS煙山光紀ニッポン放送)。VTRテーマは「アフリカの狩り」とだけ聞かされており、あとはブース内に入って初めて見ることとなる。
テレビとラジオのアナウンサー対決ということだが、その注目すべき点として松尾貴史さんの言葉が良かったので引用。「ラジオの場合は、聞いている人に、実際起こっていることを目の前で見ているかのように想像させる・・・ということに力点を置かれる割合が高いですね。一方でテレビの場合は、見えていることだけじゃなくてその裏側にあるような心の動きやドラマの部分にもシフトがかかってくるんだと思います。そういう質の違いをいま目の当たりにできるかと思うと非常に楽しみです」
VTRはアフリカの平原でチーターがガゼルを狩るシーン。 青嶋アナウンサーはあまり余計なことは言わず、状況を秒ごとに確実に言葉にしていく。競馬の実況もやってるからなのか、チーターがガゼルを追う模様を、熱っぽくも冷静に、ボルテージを上げながらもデータ的にたたみかけていた。おそらく文字に書き起こしてみても、それほど矛盾のない文章ができあがるのではないかというぐらい正確な実況。 またVTRで、最後にチーターがガゼルに食いつき、そしてまた静かな平原に戻った・・・という映像に移った際「そしてまた、何事もなかったかのようにアフリカの大平原は日が暮れようとしています・・・」と言うや否や、偶然にも、VTRでも夕暮れの映像に切り替わった。司会の伊集院さんも「最後、神が降りましたね!」と興奮していた。叙情的に言ったつもりが、VTR(世の中の動き)と同じ流れを読んでいたという素晴らしさ。職人芸。
一方で煙山アナウンサーは、映像を見てすぐに予想を出していく、という話法。たとえばVTRでアフリカの平原が映ると「これはサバンナでしょうか・・・?(「タンザニア」というスーパーが出て)タンザニアです」「(鳥の群れを見て)これはフラミンゴでしょうか」「インパラか?ガゼルでしょうか?」と疑問型にしながらひとつひとつ確実な情報を探っていくという具合。でも言葉が文学的で、チーターを指して「黄色い矢が走る」と言ったり、糞をするチーターの姿さえも「いまエネルギーを出し、再びエネルギーを求めて狩りに出るのです」と言い換えたり、ガゼルが噛み倒された後も「この戦いには善も悪もありません。(チーターの子どもたちの映像)生きるために戦う、(夕日の映像)だから美しいのです。太陽が見ています」など、こちらも見事だった。 勝敗の結果は青嶋アナに軍配。


あー、なんだか文字で表現するのは難しいです、この番組。とにかくしゃべりまくってる番組だから、すべて書き起こすわけにもいかず。時間と気力に余裕があるときに、随時つづきを継ぎ足していくかもしれません。いかないかもしれません。まぁ、なんというか半年に1度くらいのペースでやっているし、なかなか興味深い番組ですので、見かけたら見てみてくださいよということが言いたかったのです。