- 作者: 堀井憲一郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/10/31
- メディア: コミック
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堀井サンって、マンボウトトカルチョ*1に出てくる、なんでも調べ上げてる人だよな?なんで?と思ってたら、『深夜食堂』作者・安倍夜郎氏とは漫画研究サークルの先輩後輩の仲なんだそうな。ほお。
いや、面白かったです。オヤジな料理蘊蓄、うらやましくない自慢、どーでもいいこだわり、ほどよい脱線、かすかな本気。これすなわち東海林さだおセンセイの丸かじり的アプローチではないか!大好きこういうの。漫画の料理になぞらえてコラムを展開しているだけで、漫画のスジにはそれほど言及していなかった。だから漫画のほうを知らなくてもじゅうぶんに楽しめるし、むしろ漫画のほうに違和感*2を覚えている自分としては、イエの台所で細々と楽しんでいるこちらのほうがショウに合っているみたい。丸かじりファンにはぜひとも読んでほしい!
この本に限らず、堀井サンの文章、好きみたいだなあ。以前もなにかの雑誌で400字程度のちょろっとした文を読んで「あれ、この文章だけ(他の記事に比べて)急におもしろいな、誰だろ」と思って名前見たら堀井さんだったことがあったので、私はこの人の表現や見方にとても共感しやすいようだ*3。堀井さんのwiki見たら京都出身で早大出身とかいって、それを先に知ってたらその自意識コッテリそうなところに食わず嫌いしてたかもしんないけど(問題発言)(自意識過剰な中央線沿線民は他人の自意識に敏感)、私の中ではマンボウトトカルチョの何でも調べてるおじさんの印象しかなくて良かった。ありがとうヒデちゃん。
ところで「ソース焼きそば」の章ではカップ焼きそばの魅力が語れており"人はなぜかカップ焼きそばを選んでしまう"と展開した締めに
世界の終わりに、地球の果てで日本人と出会ったら、ペヤングの話をすると少しは和むかもしれない。記憶の底に沈んでいる日常が少し蘇ってくるはずだ。
とあるけれども、私にはペヤングどころかカップ焼きそばを食べた経験がない*4。人生のあらゆるカップ焼きそばタイミングを逃し続け、もうこの年齢でわざわざ一食さいてまで挑戦してみるものでもなし・・・という感じで。こういうカップ麺の経験数の少なさや、チェーン牛丼のデビューが遅いことを思うたび「つねに台所に立っていた母(=恵まれた食環境)」と「放課後や終わらない夜のダラダラを一緒に過ごす友だちがいなかったこと(=青春やり残し)」がいつも同時に思い返されて上がったり下がったりする。キックザカンクルーだ。いや栄養たっぷりの母メシをたくさん食べていたほうがそりゃ良かったに決まっています。こないだコンクリ階段から派手に落ちて、お嫁にいけないほどの大きい紫アザをオシリにつくった際も、骨折しなかったのはお母さんのおかげだと思いました。その後アザはきれいに消えたが依然として嫁にいくあてなし。うるせーうるせー。