トニー滝谷

観てきました。

村上春樹の同名短編小説を市川準監督が映画化。第57回ロカルノ国際映画祭で審査員特別賞、国際批評家連盟賞、ヤング審査員賞をトリプル受賞した話題作。孤独でありつづけたひとりの男を主人公に、彼のまなざし、感じたこと、恋、幸福、そして再び訪れたトニーの孤独を、リリカルに、切なく、そして愛情深く描きだす。

監督/ 市川準
出演/ イッセー尾形宮沢りえ
配給/ 東京テアトル
[2005・日本]

◆予告編がご覧になれます:http://www.apple.com/jp/quicktime/trailers/theatres/tonytakitani_large.html

愛を知らない頃のトニーの孤独感、恋をしたトニーの幸福感、愛する妻を亡くしたあとのトニーの喪失感を、イッセー尾形は肌でまで表現しているよう。 いとおしそうに妻を見つめるときの微笑みのみずみずしさ、再び孤独になったときの体温を失ったまぶたなど。
ほとんどのシーンが、高台の空き地に建てたシンプルな舞台セットで撮影されたんだそうな。登場人物の背中にはいつも空が見えた。それが彼らを空に浮かべるように映していて、印象的だった。