笑の大学

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多くの方とおなじく、私もこの作品の舞台版をいつかのNHK三谷幸喜特集でたまたま目にしておりまして。
あれは私が中学生のときだったかな、当時はなんの意識もなくビデオ録画しつつオンエアを見ていたのですけれども、見終えた後あまりの面白さに興奮し、この「面白い!!」という感情をどうにか形にできないものかと思って、あまり"深く考える"ということを知らなかった中学生の私は(今もわりと知らない)、直後、ビデオを見ながらワープロをただひたすら打って打って打ちまくり、このおよそ2時間の舞台のセリフと演出を書き起こしてしまっていました。 そして後日、西村雅彦ファンの友人と2人で読み合わせては楽しんだりもしました。
そんなことをしたものだから、この『笑の大学』の内容・・・というよりも登場する2人のセリフと動きは自分の脳にじっくりと染みこまれているのです。 しかも書き起こし台本を印刷した紙には学校からもらってきたワラ半紙を使用していたので、ボコボコザラザラした紙にインクリボンが対応しきれず字がところどころかすれていたりして。 今日は映画を観ながら、その薄茶けた紙とかすれた字体で記憶が蘇ってきました。
そこまでのめりこんだ私なので、この作品がこのキャスティングで映画化されることを知った頃は、勝手な寂しさを覚えたりもしたものです。「こんなに華やかな俳優を使わなくても充分に評価される実のある原作なのに・・・」という、よくある陳腐なアレです。
でも、面白かった。 「舞台版では観られなかった流れ・できなかったことを映画版で実現」という当たり前の評価だけでなく、意外にも素直に舞台版の方法を踏まえていたのが舞台版ファンとしては非常に安心できたし、でもそれはけして手抜きだとかオリジナリティがないということではなく、この面白い作品を面白く見せようとしたとき、やはりこれが最善の組み立て方なんだな、と思えて改めて原作の素晴らしさに感服した・・・のはこれを書いている今時分の考えであって。
渋谷シネクイントの深いシートでは私、前のめりになって爆笑、爆笑。たまに息を飲んで、また爆笑、ちょい涙腺きゅっとなってほんわか、という感じでした。
皆さんもぜひどうぞ。
それにしてもあの隠れゲストの出演箇所を確認すべくもう一度観たいとか思ってます。ミーハーなもので。