伊集院光 日曜日の秘密基地

オリンピックに夢中の伊集院さん、の奥さんが、『ファインディング・ニモ』のDVDを買ってきたそうで、オリンピック中継を見てるのに「ニモ見るよっ」と強制的に見させられたそうな。
「ニモもがんばってたわー」(伊集院)。

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ゲストは漫画家の江川達也さん。
はじめに伊集院さんが「竹内(香苗)アナが江川さんの『東京大学物語』を読んでいるそうで・・・」と言うと、江川さん自身が「えーっ!大丈夫?そんなこと言っちゃって。イメージダウンにならない?」と心配してた。 竹内アナは「なりませんよ、普通に読んでましたもん」何か問題でも?といったふう。 伊集院さんも「だってあの作品は、俺らからしてみれば童貞心のツボを刺激しまくるような内容なのに・・・」とまだ女性読者の存在に信じられない様子、でも竹内アナは「そこがかわいいんじゃないですか〜」(!)。カ〜ッコイ〜!にわかに竹内アナの株急上昇だよ。 「なんというか・・・成熟した女性ですねぇ」と江川さんウレシそう。 そういやみうらじゅんさんが以前「これからは女性のあいだで童貞ブームが来ますよ」とか言ってたけどまさかこれのこと?最先端〜。
「江川さんは暴走系漫画家だと思っていたけど、実はそうではないみたい」という話題に。 作品を見る限りでは、本能にまかせて描きたい放題描いてるように見えるけど、本人としては「あれはちゃんと考えたうえで暴走しているんです」とのこと。「理性でもって理性のたがをはずしている」と言っていた。 売れること、評価されることを計算して仕事するのももちろん必要なことだけど、それをずっと続けているとふと、それが自分にとって何になるのかがわからなくなってしまうという。フラストレーションが溜まるということだろうか。 だから、ときどき理性が「ここは思うままに暴走しなさい」と自分に命令して、自分の中に折り合いをつけさせるようにしているんだとか。 伊集院さんも「わかります!」と強くうなずいて、しかもそれは漫画家とかタレントとかいう表現活動に限ったことではなく、たとえば料理人にだって大工にだって「採算がとれなくてもこだわりたい」と思うことはあるだろうし、仕事を続けていくうえではあってしかるべき衝動かもしれない、と言っていた。
次に、江川さんは過去にドラえもんを批判したことがあるらしい?という話。 「のび太はダメなやつだよ!」と、今あえて叫ぶ江川さん。「ドラえもんのび太をダメな大人に育てるべく、未来の悪の手先から送り込まれたロボットだ」とオモシロネガティブ構想を展開。そしたら伊集院さん、「(その悪の手先とは)出来杉くんでしょ?」って乗っかっちゃって、江川さんも「そうそう!」。 その後は2人のあいだで「出来杉くんの企み」妄想が膨らんで面白かった。 江川さんによると「のび太みたいに子どもの頃怠けていると、大きくなってからとたんに人一倍努力し始めたりして大成しちゃうんだよね。一方で出来杉くんみたいにちやほやされてきた子は逆境に弱いから、おそらく未来のどこかでのび太に逆転されちゃって、しずかちゃんもとられちゃって悔しかったんだろうね」。だからのび太に努力させる機会を与えさせないようにドラえもんを送り込んだんだろう、と。「孫のセワシくんが送ったってのはカモフラージュだから」。 そんなダークドラえもんやだよ(笑)。  でも、江川さんは「そもそもハッピーエンドの物語は教育に悪い」「甘いお菓子が体に悪いのと同じ」とのことで、子どもたちにもちゃんと「努力をしないと大変なことになる」「答えが出ないものもある」ということを教えなくちゃダメだ、と熱弁を振るっていたのだけど「でもハッピーエンドじゃないと売れないんだよねー」とも。
それから江川さんが本宮ひろ志さんのアシスタントをしていた頃に、本宮先生に「スケベを描くと売れるよ」と言われたらしい。実に的確なアドバイスだ。 江川さんははじめ、社会派マンガを描こうと考えていたところにこの助言があったのだという。  それを聞いて伊集院さんは「僕も昔、表面的な笑いが嫌で、深い笑いを追求しているつもりの頃があったけど、そのとき師匠*1に『君にとって"太っている"という見た目の面白さを避けることはむしろ不自然だ』と言われたことがある」といい、本宮先生のアドバイスと共通するものがある気がする、と言っていた。  なるほど。たしかに表現者としては誰しも、自分の頭の奥にあるひねくれた個性を「どうだ!」と打ち出したいところだけど、初対面の受け手にはそういう個性は異物に感じられてしまうことが多いもんね。 「エロ」とか「デブ」とか、本能的に表面的にわかりやすい信号で興味を惹き付けながら、その向こうで自分の世界を展開していくというやり方もある、と、彼らの先生であり師匠は教えていたのかも。
ちなみに江川さんは過去に数学教師をやっていたことがあるのだそうだ。 なぜ教師になろうと思ったかというと、「自分が受けてきた授業がつまらなかったから、自分ならこういう授業をやってみたいと思って」。 同様に漫画家になった理由も「自分ならこう描くのに、と常日頃考えていたから」。 結局は自分が面白いと思ってやってみた授業が、生徒のごく一部にしか反応を得られなかったらしい。 だけど教室内40人のうち3人が自分に共感してくれたということは、400人中30人、4万人なら3千人・・・と対象の人数が増えるごとに数も拡大するのではないか、という考えから、教師→表現活動の道に切り替えた、と。 反応を見せたはじめの3人がいなければ踏み出せなかったかもしれない世界。 伊集院さんも「自分では自信のある企画でも、いい反応が返ってこないということはままある。でもそういうときにもらった1枚のハガキの『面白かった』がどれだけ励みになるか」と自らの経験を浮かべるように話していた。 「嬉しくて泣いちゃうこともあるんですよ〜」(伊集院)、「泣く泣く!俺なんか何度泣いたことか」(江川)って、大の大人がかわいいな(笑)。
今回の2人の話は、たびたび"仕事に対するモチベーションとアイデンティティのとり方"という方向に転がっていて、「これは職種を問わずいえることだけど」と本人たちも何度か言っていたように、表現活動とはまったく違う分野の仕事を今春から始めたばかりの私にも大いに参考になったし共感できた。
江川さんは、テレビに出ているのを見たときも思ってたけど すごくサービス精神が旺盛な人で、相手が3を求めれば、5にも7にも膨らまして返そうとしているのが会話の端々で伺える。 よほど熱を入れてしゃべったのか、コーナーの終わりを迎えてもボルテージが下がりきっていない様子で、いよいよ時間もなくなり伊集院さんが半ば断ち切るように「本日はありがとうございました」と締めている際にもまだ何か言いかけていてかわいらしい人だと思った。

  • 日曜ゼミナール

講師は浅草キッド。テーマは「ブームの裏表」。
登場するなり玉袋さんが「募金どこに持ってけばいい?」 いえ、他局ですし。そもそも2人のガラじゃないですし。・・・と指摘する伊集院さん。  そして講義が始まれば博士が「だいたい、この4年に1度のスポーツブームは何?誰が仕掛けてんの?」 おそらくこれはブームとかではないらしい旨を教えてあげる伊集院さん。
ブームといえば、といって、少し前のゴールデンタイム放送『うんちく王SP』における 伊集院→石田純一の"う"三連発 を見て、「台本が見え見えだよー!」と博士は思っていたのだそうだが、後に番組関係者が「違う違う、あれは伊集院がすごいんだよ」と教えられて驚いたとのこと。 「やっとわかってもらえた・・・!」(伊集院)、「伊集院さん、あの放送が終わってからはしばらく『誰もアドリブだって思ってくれない』っていじけてたんですよー」(竹内) だって、まるではじめから決まっていたような美しい流れだったもんねぇ。しょうがない。

  • 秘密キッチの穴

今回はアンタッチャブルの当番。
伊集院さんはまず柴田さんを個人で紹介したあと、「えーと、触れづらいんですけど・・・」とわざと山崎さんの紹介をじらしていた。「週刊誌に載っちゃったりしてる方ですから・・・」って。例の掲載誌も、前回は「後輩芸人」だけだったのに、今度は顔と名前がちゃんと載ったから、これは伊集院さんなりの祝福なんだろう(笑)。  しかしそんな伊集院さんの祝福ちょっかいに対して山崎さんは「いやいやそんなー!・・・それでですね」とシカトに近い勢いで流していたので「やや、ちょっと芸能人っぽくなってきちゃったか?」とラジオの前でウレシ寂しくなっていた私。伊集院さんも、山崎さんのあっさり具合に少し戸惑っていたかも?
リスナーの投稿で「昔、テレビで情報番組を見ていたら、リポーターが岩石をガリッとかじって『蒸しパンのように甘いですね』とコメントしていたのを見た記憶があるが、あれはなんだったのか」という質問。  柴田さんの調査によると、これは富士山の五合目のみやげ物屋で売っているお菓子らしい。砂糖を固めたもので、見た目も持った感触も岩石、というか軽石みたいなんだそうな。 そんなわけで取り寄せてみましたので伊集院さんご試食ください、との柴田さんの案内に「え?これってもしかして"伊集院さんコレお菓子です、つって岩食わせるドッキリ"?」とためらっていた伊集院さん。よほどリアルに岩石っぽかったんだろうな〜。それでもおそるおそる伊集院さんが噛んでみると、ガリガリッ「あぁ・・・カラメル焼きの味だ!」。そんなご試食伊集院さんを見てクスクス笑ってるチャブと竹内アナ。 「朝、仕事場に来て『おはようございまーす!』って挨拶したときに振り返った伊集院さんがコレほおばってたら、『うわ、伊集院さん岩食ってる・・・』って本気で思いますよ」とやんわり退(ひ)いてる心もち岩石フェイスの山崎さん。 イヤそれよりもアタシ、ちょいと落ち着きオトナモードのあんたに退いてるぜよ。

  • 私信

「秘密基地」イッセー尾形出演分、ありがとうございました!大好きな伊集院さんとイッセーさんの会話が、友だちのようなテンションで盛り上がっていて嬉しかったです。イッセーさんの意外な部分も知ることができたし・・・。近いうちにまとまった感想を書こうと思います(書きたい・・・書けるといいな・・・)。