それの彩度を高くするメガネ

ゆうべの寝しなの干し芋がまだ胃に居座っている。朝ごはんは食べず、工藤静香を思いながら残りの干し芋をバッグに入れて、自分も9時すぎに家を出て、歩いて会場へむかう。

本当に会合はおこなわれるのだろうか?

本当にみんな来るのかな?

きょう朝10時に集まるだなんて、もしかしてぜんぶ自分の思いこみでは?

と、前日に何度も確認した会合先に向かいながらも、それでも向かう先で会合が開催されることをなぜだか信じられなかった。しかし着いてみると会合は本当にあった。しかも開始時間前にほぼ全員揃っている。

雨降る冬の日曜の朝10時にほぼ全員揃っているとは。自分も来ておきながらなんだが、みんな、ちゃんとしてる!と驚いた。

日記ワークショップ対面初回。みなさんの参加の姿勢や今後の展望を聞いて、自分もいろいろ試してみたくなった。古賀及子さんの言葉「ワークショップはアウトプットのロマンをお金で買っている」を手帳に書き留める。

会場のあるBONUS TRACKでは秋田フェアをやっていた。会合終わりにふらり見てまわると、秋田の喫茶店のブレンドだというコーヒー豆が売られており、コーヒー豆を切らして案じていた自分は飛びつくように3種類買う。一緒に焼き菓子(バナナケーキ、ホワイトチョコレートがけフルーツケーキ、パンデピス)も買う。ふと焼き菓子の製造者住所を見ると東京で、東京?と思っていたら販売スタッフの方が「その製造者さんが秋田出身なんです」と教えてくれた。

フェアではきりたんぽ入り豚汁も売られていたので注文。「お飲み物は?」とドリンクの注文を訊かれ、べつに豚汁単品でも良かったのかもしれないがそう言えず、ではレモンサワー、と頼んだら度数5%の檸檬堂が出てきた。きょう最初に口にしたものが5%アルコール。豚汁は根つきのセリがどっさり入っていておいしかった。

帰り道、そこかしこにカレー屋があることに気が留まる。さっき出たワークショップのメンバーであるOさんが、仕事のためによくカレーを食べており、きょうも下北沢のどこかでカレーを食べて帰りたいと話していた。
同じコミュニティの誰かが何かに夢中だと聞くと、聞いてしばらくはそれの彩度を高くするメガネをさずかった感じになる。少し歩くとまたカレー屋があった。
自分もいっちょどこかのカレー屋にはいり情報を得てOさんの力になりたいところだが、さっききりたんぽ入り豚汁を食べたばかりでまだ満腹だ。Oさんがうまいカレーを食べていますようにと願いながら何軒めかのカレー屋の前を通りすぎる。


14時前に帰宅。早起きからの昼の飲酒で激しく眠い。布団にはいり目を覚ますと17時。日曜がおわる。

ほどなくして仕事で朝8時に出ていった夫から「退勤🍱」と弁当の絵文字つき退勤連絡。夫は土日に仕事があるとたいてい帰りに弁当を買ってきてくれる。

帰宅した夫と弁当を食べ、ここでわたしは初めて日記ワークショップに参加している話をした。

食後、どうにもコーヒーが飲みたくなり、「日が落ちたらコーヒーを飲まない」の自分ルールを破ってコーヒーをいれて飲んでしまう。うまい……。


大河ドラマ『光る君へ』第3話を見る。んもー、はちゃめちゃに面白い! 自分はこの時代のことはこれまで何度挑んでもさっぱり身につかなかったし、大石静作品にもこれまではピンと来なかった。書き留めておきたくなるような強いセリフがあるわけでもなし、なぜ面白いと思うのかまだ分析できてないけど、毎回45分の放送が一瞬である。

冬野ユミさんの劇伴もいい。艶やかさや悪さがにじむシーンはジャズっぽく、貴族の優雅さが描かれるシーンはバッハっぽい。

SNSで感想を眺めると今作は『源氏物語』のオマージュがたくさん散りばめられているようだが、そこは深掘りせずに、素養がない自分でも充分たのしめるドラマの凄さを今は堪能している。


23時ごろに布団に入るも、3時間昼寝と日没後カフェイン摂取のダブルパンチで案の定ねむれない。