八重桜

先週の日曜に録った、アパート前の八重桜。こちらに送ったつもりがうまくいかなかったみたい。でもなかなか元気良く録れたので貼っておきます。

桜といえばソメイヨシノが一般的で、こういう八重桜*1は、春がだいぶ落ち着いてから咲き出すからか、それともあのパワフルな花が日本人にウケないのか、あまり八重桜を愛でる光景が見られないように思う。光景云々よりも八重桜の木があまりないだけなのかもしれないけれど。


でも私は八重桜、好きだなぁ。
質素な生活してるくせに見栄えが派手なものに弱くて。あれはひとつひとつの花が小さなウェディングドレスみたいでいい。
というのもあるけど、一重の桜に比べて、咲き方が無邪気で力強くて、人を心配させないところがむしろ優しいように思う。


一重の桜は咲いても、満開になってもどこか儚げで、実際、風が吹いただけで目の前でどんどん散っていってしまう。花びらが散った木に赤茶のがく*2だけが残る期間が一瞬あるんだけど、あの褪せた色を見ると私は目をそむけたくなるぐらい辛くなる。早く緑の葉よ出て来い、色をまとってくれ、と願う。


それに比べて八重桜は、風が吹いても揺れるだけで、危うげな姿は見せない。がっしと枝に掴まって、なかなか散らない。その散らない花をぼってりとつけたまま、5月に向かって、やわらかくて透き通った黄緑色の若い葉を広げだして、季節の安定の寂しさを思わせる隙もなく、いっそう華やかになる。


女性でいえば一重桜は、嬉しくなるとぽっと頬を染めて目を伏せて微笑み、悲しいときにぽろぽろっと涙を流すような人なんだと思う。
八重桜は、嬉しくなると思わずダッシュしちゃうような人。いつでもアクティブに見えるから「あの人は元気だねー」なんてあまり気に留められずにわーわー走り回ってるような感じがする。


それで花見客は、男性は・・・・・・うーん、そうか。
そういうことか。


ベタな結論が出ようとする前に、この話はここでおしまい。

*1:この桜はなんという名だろう。「八重桜」って分類で、名称ではないよね

*2:というんだっけ?花びらの元にある電気のカサのような部分