ある方の日記で長嶋有作品2作品が良い感じで紹介されていて、嬉しくなってつい一方的で意味不明な乙女コメントを残してきてしまったので、改めて自分ちで絶賛します。
あのね。ここ1ヶ月ほどでどっぱまりしております、長嶋有。
電化製品列伝
- 作者: 長嶋有
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/11/05
- メディア: 単行本
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『電化製品列伝』は、そして期待していた帯裏の俳句が、色っぽくていい。
猛スピードで母は (文春文庫)
- 作者: 長嶋有
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/02
- メディア: 文庫
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パラレル (文春文庫)
- 作者: 長嶋有
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/06
- メディア: 文庫
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この小説も、何か大きな事件やテーマがあるわけじゃなくて、登場人物すべてがひとしくいとおしく描かれていて、いい気持ちになれた。春先の夜風のようにやさしくて心強い気持ち。最後の主人公の祝辞は、なんとなく、谷川俊太郎の「祝婚歌」を思い出した。
いろんな気持ちが本当の気持ち
- 作者: 長嶋有
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/07/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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・・・・・・と、導入が長くなってしまったが、その『ラッシュライフ』のストレスに耐えかねて購入したのが『いろんな気持ちが本当の気持ち』。はじめは「朝は『ラッシュライフ』を、夜は『いろんな気持ち〜』を読み分けることでストレスが軽減されるのでは」と目論んでいたのだけど、夜に読んだ『いろんな気持ち〜』がやっぱり好みすぎて朝も読むようになってしまい、購入の3日後に週末が来て、そこで一気に読み終えてしまったエッセイ集。私も長嶋センセイのポンポン板井になりたい。
泣かない女はいない (河出文庫)
- 作者: 長嶋有
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/10
- メディア: 文庫
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で、この本はおととい買って、表題作を今朝の通勤電車で読み終えたところ。小説の導入部で淡々と説明されていく状況が、工場や倉庫や伝票整理といった色も色気もない光景ばかりだったので、こんどばかりはハズレかな、短い恋だったな、と寂しい気持ちで読んでいたのだけど、しかしいつのまにか、これらコンクリートやスチール机の世界も徐々に色気を帯びだして、それはつまり主人公・睦美の気持ちの変化によるものなんだけど、睦美と同じ足取りで読み進むことができた。
そしてまた、この作品のタイトルは「猛スピードで母は」「サイドカーに犬」のように文中の一節をそのまま使っただけなのかと思っていたら、最後の最後にちゃんと呼応していてゾクリとした。読み終わって顔を上げると、地下鉄の窓に、うすら笑いの女が映っていた。
そして続けて「センスなし」を読み始めたところなんだけど、冒頭の主人公の「聖飢魔IIが好きだったが、良さを相手に理解させるのが面倒で、人の前では聞かないようにしていた云々」というところにものすごく共感。続きを読むのが楽しみ。
スポンジスター
- 『スポンジスター』公式サイトhttp://www.bonkoba.jp/star/index.html
丸善の長嶋有コーナー*5にビニールパックされて1冊だけ置かれていた謎の本。『スポンジスター』とあるだけで、著者名も記事タイトルも何もない。ビニールパックされているから内容の確認もできない。
ネットで検索してみると公式サイトにあたり、ブルボン小林名義で出した1500部限定の同人誌らしいことがわかった。そういえばひところ、このタイトルをあちらこちらで目にした記憶はある。しかしサイトで参加著者を見てみると、特定の人には相当贅沢な本であることがわかってとりあえず丸善最後の1冊(たぶん)を購入。貴重さに弱い。まだ読んでませんが、たぶんしばらく読まないと思うので*6興味あるおともだちはお声かけください。ただし貴重っぽいので返却期限は設けます。
*7
*1:扱ってる作品についてはこちら→http://shop.kodansha.jp/bc/books/topics/denkaseihin/
*2:読んでみて「彼が言うほど素晴らしいとは思えない」と思いたくない、価値観の違いを認めたくないという恋心
*3:参照:http://d.hatena.ne.jp/hiloco/20090222
*4:友人は「ラーメンズのコントみたいだよ」と言って貸してくれたが、はたしてそうだろうか
*5:関係ないけど丸善丸の内本店の小説コーナーは、作家の出生年代別に分けられていてすごく面白い。自分の周りで評判である作家の多くが'60年代後半〜'70年代前半生まれだということに興奮してしまった
*6:内容が濃そうすぎて恋から醒める恐れがあるから
*7:はてなのイベント「今週のお題」とやらのテーマが"私と読書"であると今知ったので、追ってエントリしたいのだがなかなか「含む日記」に登録されない・・・・・・