企画輩出番組

昨晩おともだちと深夜までずーっとしゃべってたんですけど、その中で面白かったのが、「放送時間が変わると視聴者が変わるんだよね」という話。当たり前なんだけど。
深い時間帯の番組を楽しみにしている人って、ゴールデンタイムの番組は見られない生活サイクルであることが多い。だからその番組が“大好評につき”放送時間帯が上がったとしても、その好い評価を持って見ていた視聴者は振り落とされるわけで。そのまた逆も然り、いくら深夜帯で人気が出た番組でも、19時台の視聴者にとっては「はじめまして」であることが多いはず。時間帯が繰り上がると視聴者は増えるんじゃなくて、変わる。リセットされる。変わった視聴者に合わせて、番組も変らなければならない。
そんなこと重々承知で、それでもテレビ局は、季節ごとに「新しいこと始めます」「もっといいこと考えました」的な動きを見せなければならない。そのひとつが時間帯移動。制作者が望んでいなくても。
それで昨晩の話でも例に挙がったのが『マシューTV』で。あの番組の各コーナーは充分にゴールデンタイムに適応する華やかさがあるけれど、番組の肝は藤井隆の陰(いん)の力だったはず。藤井隆の素直な陰の力に呼応して、A級ゲストの陰が引き出されるのが面白かったのになぁ、その陰に深夜の視聴者は親近感を覚えたりしたのになぁ、と。だからあの番組から生まれた各コーナーだけ独立させてゴールデンタイムに乗っけて、そして母体となる『マシューTV』はずっとあの時間帯で続けて、また新番組の素となる企画を生み出すっていう企画輩出番組にすれば・・・・・・なんて、どうすることもできないことをいつまでもしゃべってました。しかし実際そうなると母体番組の出演者のスケジュールの問題が出てくるんだろうか。でも企画が面白いなら母体と同じ出演者である必要はない、と私は思うけどな。
そういう企画輩出番組というジャンルって、あるのかしら。あ、それがさんまさんのやってる『明石城』なのか。でも『明石城』って、ちゃんと見たことないけど、あくまでさんまさんが出演するのが条件だろうから、純粋な企画輩出番組でもないなぁ。 その点で言うと、『虎の門』は少しだけ企画輩出番組なのかもしれない。企画として固まってなくても走らせて、補助輪使わなくても揺らがなくなったら出演者を固定してスピードを出す、みたいな。まぁでも特番にこそなれど、ひとつのレギュラー番組にまで育った企画はないよね、たしか。
ところで先週の金曜日から始まったテレビ朝日の『検索ちゃん』、あれは『虎の門』を見ている人なら「あれ?」と感じたと思うけど、番組の随所に伊集院光企画「ネット検索山くずし」*1のアイディアが使われていた。出演者が発言したキーワードを、下部の枠で検索してヒット数を出す、っていう。ま、番組の趣旨自体は山崩しとは関係ないんだけど、でも明らかに元ネタはあの企画だよなぁ。だからエンディングのスタッフロール見ても、「伊集院光」「篠岡建*2」って文字が見当たらなかったのが少し腑に落ちない。第1回目の出演者として登場させたってことで良しとしたのかな。まぁ伊集院さんもあの番組の今後の構成や監修を担当するわけじゃないだろうから、名前出なくて当然なんだろうけどさ。インスパイアってことか。便利な言葉だよ。*3
で、そういうファンの思い込みはどうでもいいんですけど、企画輩出番組。もしそういう番組をやるなら・・・・・・でも難しいのは、その番組に誰を出すか、だよね。実際の構成作家だけが並んで会議の続きであーだこーだ言ってるのが見たいんじゃない。 ひとつの『いろは(仮)*4』という番組で生まれた企画に対して、「これならもっと早い時間のほうが受けるんじゃないか」などと判断が出れば別の時間帯に飛び立たせて、『いろは』自体は同じ時間帯で放送を続けるっていう。それで巣立たせた番組に関しては、出演者のリンクもないし、特にその後を追わないっていうのがいい。潔く関係を断(た)ってほしい。 でも難しいか、評価を受けた番組のメンバーを変えるってのも。制作者も出演者も「番組が巣立っても関わりたい」と思うだろうし、視聴者も「このメンバーだから面白かった」と思うんだろうし。
んー、むずかしいね。番組をつくって続けていくのは。結論が出ないからもうおしまいにしよう。今からシーフードカレーでも作ってきます。

*1:遊び方については id:hiloco:20050314#toranomon 参照

*2:伊集院さんの本名

*3:番組自体はいい雰囲気で面白かったです

*4:仮にしてもひどいな、「いろは」て