経験から出てくる言葉

いま『先見日記』5/11分・赤瀬川源平さんのコラムを読んでたら、ブワーッといろんなことが頭の中を駆け巡っていった、ので、紹介しておきます。


コラムは、巨人ファンの赤瀬川さんが 不調な巨人を心配しているという内容。ラジオの野球中継を聞いていたら 解説の坂東英二さんが「今の巨人の選手は相手チームと戦うんじゃなくて、何か別ものと戦っている」と言っていたんだそうで、それを受けて赤瀬川さんは「思わず経験から出てくる発言が面白い」と書いています。

昔は元プロ野球選手の解説者というのは、「経験だけじゃないか」と思って内心ばかにしていた。ただの経験よりも優秀な頭の働きの方が偉いと思っていたのだ。いまはまったく逆転している。経験上つい出てくる言葉がいちばん急所を突いている。頭で考えた言葉はみんな「想定内」のことで、面白くはないのだから、頭も民営化しないといけないのか。


それで、”私の頭の中をブワーッと駆け巡っていったいろんなことたち” については、あまりに関連性がなさすぎて 文にまとめることは到底できないんだけど、その「ブワーッ」のアクションを走らせたボタンというのが「経験から出てくる言葉*1」という部分だったので、そのことをちょっと。
近頃、やっと、「経験から出てくる言葉」に心を刺激されるようになってきました。 昔から聴いてた歌や 何度も読んだ本、以前 誰かから聞いた話の、単なる“言葉並べ”だと思ってスルーしてきた部分が急に、辞書を引いたように意味がわかったりするの。「あっ、このことか!」って。 これが成長ということなんでしょうか(・・・って、やだワタシ、あおくてはずかちい!・・・でも、続けます)。
学校を卒業したら、働きはじめたら、そして一人暮らしをはじめたら、それまでよりも五感が冴えてきたような気がして面白くって。それだけじゃなくて、五感以外で感じられる何か別の感覚*2も。 たぶん、自分で考えて自分で決めると、その行動の意味や結果に自分の責任が生まれて、だから自分の体験を愛情持って咀嚼するようになるのかもしれない。
ご飯を、ゆっくりじっくり噛むと、だんだん、甘いのがわかってきてうれしいです。

*1:赤瀬川さんの文中において、正確には「経験上つい出てくる言葉」

*2:五感以外→第六感→シックスセンス→霊感、という意味じゃないです