卵の顛末

それで結局 昨晩は、トーストを食べて腹ごしらえをしたのちに、チーズオムレツを作らんとして卵を溶いたり溶かなかったりしてたのだけど、『夏目家の食卓』を見ているうちにちょっと調子にのってきてしまって「えい、オムライスにしてやれ」と思うようになり、先に玉ねぎのみじん切りをバターで炒めてウィンナーソーセージの細かく切ったのとニンニクを投げ入れ、冷ご飯を投げ込んでケチャップおよび塩コショーで味つけして、はは、これはうまいことできたぜ、あとは黄色くてかわいいオムちゃんで包むだけさね、と思ってフライパンのはしっこでオム作成にとりかかったのだけどこれがなかなかふんわりオム布団になってくれない。 「どうにか」と懇願しながら慣れない菜箸でかきまわしたところ、卵は散り散りになって「そもそもお前が料理の腕もないのにライスの端でオムレツを作ろうなどと横着するからいけないのだ」と私を責めてはきたが、双方いろいろ話し合った結果、卵はケチャップライスと合流することになったので、もうこれはケチャップ味のチャーハンと相成りました。チキンライスともいう。チキンなしの。
赤い飯がほこほことバターの香りの湯気を立てて笑っている姿、それはそれで愛らしい。卵に混ぜるはずだったとろけるスライスチーズを、まだフライパンのうえで頬を紅潮させて座っている飯ライスくんにそっとかぶせてやることにした。チーズは飯ライスくんの上ではんなり。
夏目家の食卓』に泣きながら、サッポロドラフトワンを飲みながら、味噌汁をすすりながら飯ライスくんチーズがけをほおばった。うまかった。満腹。


さて今夜は何を食べよう。