細野晴臣『冬越え』

先日の『涙-namida-第三回』の中でSAKEROCKの星野さん(とハマケンさん)のプチライブがあったのですが、星野さんがギター一本で弾き語った1曲目、「♪ただ くしゃみをひと〜つ〜」というゆるやかな歌。どうもこれ、私、聴いたことありますよねぇ?と己の聞き覚えをヒトサマに押し付けて訊いてまわっていました。然れども、とうとう回答を得られず。 明け方の電車の中でもずっとメロディを口ずさんでて、この土日月もずうっと頭から離れなかった。
で、思い出せる歌詞をキーワードにつないで探しまわり、やっとわかりました。

HOSONO HOUSE

HOSONO HOUSE

これに収録されている『冬越え』という歌でした。みなさん、わけわかんない質問で困らせてごめんなさい。


いま原曲を聴いてみたら、あの夜、星野さんが歌ったような甘さをひとさじも思わせない、“のんき”という言葉がよく似合うポンワカプンワカな曲調でした。
私にとっては細野さんの曲ってどれもそんな感じ。曲調がのんきなお散歩みたいだな〜と思って自分でも口ずさむんだけど、でも実は、歌ってみると、ひとりでつぶやくのがよく似合う歌詞ばかりなの。 恋のはじまりにゆるむ頬や、愛の終りに見たうしろ姿、ゆうげの匂いに感じる孤独。 大人になったら、そういう細野詞の世界を知る瞬間にたびたび出会う。
みんなもそうなんだろう。だからみんな、自分の声で歌いたいんだろう。


それにしても星野さんの甘い歌声。monaにいっぱいの大人たちがお酒片手にワイワイワハハと盛り上がってるところ、星野さんがひとたび歌いはじめたら、みんな息を止めたように静かにして聞き入ったんだよ。はふ・・・(惚)。
秋の夜、うしろから抱きしめられながら耳元でこれを歌われたら、もう(妄)・・・・・・。