- 作者: 川原泉
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2006/06/29
- メディア: コミック
- 購入: 5人 クリック: 138回
- この商品を含むブログ (240件) を見る
川原作品は“花とゆめコミックス”で出てるものは漏れなく読んでいるし大好きなのだけど、エッセイ漫画の『小人たちが騒ぐので (白泉社文庫)』の余白の多さ*2が己の貧乏性に合わなくて、ちょっとだけ、ちょ〜っとだけお金を損した気になったので、それ以降の作品にはノータッチメントだった。でも本屋に並んでいたこの『レナード現象には理由がある (ジェッツコミックス)』の帯に「恋にはいろんなカタチがある」というコピーが入っているのを見て「むむ?カーラ先生がラブストーリーを?」と気になり購入。買って良かった。読んで良かった、ちょうおもしろかった!わーいカーラ先生!(身勝手で一方的なハイタッチ)
短編集。ラブストーリーとはいっても、ホレタハレタで騒いだりしない、カーラ作品お得意の“デキるけど冷血な男子&デキないけどポジティブなおっとり女子”の理屈っぽくてゆるやかな時間にニマニマ。恋愛漫画に「レナード現象」とか使わないもんね。好きだよそういう照れ隠しみたいなタイトル。おなじみ七五調の連続も気持ちがいいし。あとあと、第3章「あの子の背中に羽がある」の中で、高3男子が小6の女の子にときめきに似たものを感じてしまって慌てて意識を逸らそうと急に“媒介変数表示の曲線における面積”を求めだしてるとことろか笑った。理性への戻し方がカーラ式だなぁと。どうしたって手放しでラブに滑り込めないあたり、共感しちゃう。それに、男子と女子がお互いを尊敬しあってる図、それを他人は恋とも呼ぶ、という描き方がいつも素敵だなと憧れまス。
*1:http://www.michael-movie.com/
*2:画的にもネタ的にも