米光さんが思い出したように「米光浅蜊」という俳号を名乗ってましたが*1アレなので今までと同じく本名を書いておきます。
選句用紙を書き起こし。作者のわからない30句。実際は縦書き・均等割付。
- みんな腕時計をみてた夏シャツで
- 脇腹が痛い気がする金魚鉢
- 夏空へスーパーボール跳ね上がる
- 水中花咲いてこの世をなつかしく
- 「薄荷水かけられハッカー発火す」
- 人類の末期の眼なり向日葵は
- エリートの兄に説教される帰省
- 焼きそばの名もUFOや夜の秋
- 藺座布団相棒またも同じ回
- コピー機にコピーを忘れ青嵐
- ほめられて夏服の裾ゆびで伸ばす
- 日時計と気付かずにおりソーダ水
- 813続813なつやすみ
- 飛魚やロケット鉛筆は飛べず
- 探偵走るかき氷打ち捨てて
- 河童忌や暖簾のなくて牛丼屋
- イメージの歯でイメージの水貝を
- 夕立の音大きくて母が泣く
- 暑中見舞いですピーシーを踏む猫
- 海の日がないころ海が好きだった
- 天皇になれず西日やアイシャドウ
- 夏惜しむ音姫たちの三部合唱
- キャバリエ図に棲む者ありと黄金虫
- 夏痩せてゆうべの客をまだ厭がる
- 遠雷や被疑者容疑者ヨークシャテリア
- 木の実あり内鍵のある扉の下に
- 誕生日知ってたの?薔薇咲いてたの?
- 紙魚のぼりつめて天金崖なせり
- ラストミステリーまでいれば夏星
- 卓鈴も応ずる声も涼しけれ
来場客は開演前に、この中から「特選(ベスト1)」1句に☆、「並選(好きな句)」6句へ○、「逆選(文句つけてやりたい句)」1句に×をつけ、スタッフに提出。
ひろこ選
わたしの選んだ句と評はこちら。
- 並選:藺座布団相棒またも同じ回
- 相棒の再放送をたのしみにしている人の家に藺座布団ありそう。
- 並選:飛魚やロケット鉛筆は飛べず
- この2つを並べて比較してみせたのがすごいなあと。
- 並選:探偵走るかき氷打ち捨てて
- 並選:海の日がないころ海が好きだった
- なに政府の人気取りに利用されてんの……? もうわたしなんかが行かなくてもあなたは大丈夫よね……みたいな気持ちで足が遠のくの、わかる〜。その相手が海だというギャグで、かえってファン古参心理がよく描けている(本当か)。
- 並選:天皇になれず西日やアイシャドウ
- 並選:夏痩せてゆうべの客をまだ厭がる
- 夏やせするナイーブさと、ゆうべの愚痴をまだ言う不満げな感じがつながるな、と。「まだいやがってるなあ」とヒトゴトのように句にしているのは愚痴の聞き手でしょうね。で、愚痴の内容は聞いてない感じもまた夏やせの人を苛立たせてそう。
- 特選:日時計と気付かずにおりソーダ水
- 逆選:夏惜しむ音姫たちの三部合唱
- 音姫を句材にしてることで構えるし、"三部合唱"がウチの母(70歳)ぐらいの人が言いそうなユーモアだなあ、そういう面白さはまだわからんなあ、と。中七下五に感じる厚かましさと上五"夏惜しむ"も合わないと感じた。
出演者選
開演。出演者陣の選句を発表。(句のあとの名前は選んだひと。無印:並選、☆:特選、×:逆選)
- みんな腕時計をみてた夏シャツで :千野、堀本
- 脇腹が痛い気がする金魚鉢
- 夏空へスーパーボール跳ね上がる :米光×
- 水中花咲いてこの世をなつかしく
- 「薄荷水かけられハッカー発火す」 :堀本
- 人類の末期の眼なり向日葵は :松田
- エリートの兄に説教される帰省
- 焼きそばの名もUFOや夜の秋 :松田、堀本×
- 藺座布団相棒またも同じ回 :千野
- コピー機にコピーを忘れ青嵐 :松田
- ほめられて夏服の裾ゆびで伸ばす :米光、松田、長嶋×、堀本☆
- 日時計と気付かずにおりソーダ水 :米光、堀本
- 813続813なつやすみ :千野☆、長嶋☆
- 飛魚やロケット鉛筆は飛べず :米光、長嶋
- 探偵走るかき氷打ち捨てて :千野、米光☆、松田
- 河童忌や暖簾のなくて牛丼屋 :千野、米光、堀本
- イメージの歯でイメージの水貝を :松田
- 夕立の音大きくて母が泣く
- 暑中見舞いですピーシーを踏む猫
- 海の日がないころ海が好きだった :松田☆、堀本
- 天皇になれず西日やアイシャドウ :千野、長嶋
- 夏惜しむ音姫たちの三部合唱
- キャバリエ図に棲む者ありと黄金虫
- 夏痩せてゆうべの客をまだ厭がる :米光、長嶋、堀本
- 遠雷や被疑者容疑者ヨークシャテリア :千野×、長嶋
- 木の実あり内鍵のある扉の下に :米光
- 誕生日知ってたの?薔薇咲いてたの? :松田×
- 紙魚のぼりつめて天金崖なせり :千野、長嶋
- ラストミステリーまでいれば夏星
- 卓鈴も応ずる声も涼しけれ :長嶋
オープニングBGMにCHAGE&ASKA『SAY YES』を鳴らしながら登場する東京マッハズ+松田青子さん。席につくなり 長嶋「青子さんがさ、(入場曲は)絶対チャゲアスがいいって」 松田「絶対とは言ってない」。そんなチャゲアス好きの松田青子さん(勝手に決めつける)のお洋服が素敵だー。レモンの木柄のネイビーのワンピース。初めてお顔を拝見したが、ハッとさせるような美人だから、こういう強い服が似合う人だ。
会場客席に、先日、第151回芥川賞を受賞した柴崎友香さんの姿も。柴崎さんは札幌マッハ*2に出演しており、 長嶋「マッハに出た人は必ず受賞するんだよね。藤野可織さん*3も佐藤文香さん*4も名久井直子さん*5も。……って、ことはー?(松田さんをチラッ)……って、ことですよ!」 千野「この東京マッハもね、長嶋有がノーベル賞を受賞するまで続けますから」 長嶋「vol.88あたりでね、ご報告できれば」。
- ほめられて夏服の裾ゆびで伸ばす
- 5人中4人が選んでるから誰の句かわかってしまったこの句。まずは唯一の逆選の長嶋さんから「……リア充じゃん? (というやっかみジョークはさておき)景は見えるが、ステレオタイプな照れ方だと思う。J-POPの歌詞のような既視感」。一方で特選の堀本さんは「"夏服"が効いている。夏服って、あまり伸びる素材ではない。それを無理に伸ばそうとしている感じが照れとして自然で良かった。最後も"伸ばしけり"など五音におさめず、言わなくてもわかる"ゆびで"を入れてまで字あまりにしたところも、照れ隠しとしての無意味な動作っぽさが出ている」。松田「この照れている人をカンバーバッチと想像した。いつもは調子のいい男性が照れているようすに惹かれた」。千野「照れているのが男のひとだと思うとまたいいですね」。
- 探偵走るかき氷打ち捨てて
- 米光「かき氷ならバシャって打ち捨てても、片づけ楽だし、夏らしい」 松田「夏まつりに来たら思いもかけず犯人を見つけ、持ってたかき氷を打ち捨てあわてて追いかける、だめな探偵という感じで好き」。一方で選ばなかった長嶋さんと堀本さんはともに「既視感がある」と言うが、 米光「見たことあるかもしれないけど、自分の記憶の底にあるものでも、自分では拾ってこれなかったことを評価したい」。
ここで今回のお題が明かされる。ゲストの松田青子さんからの出題「ミステリー(しばり)」と、前回優勝者の千野帽子さんからは「昭和(しばり)」。 千野「ミステリーしばりと聞いて、乱歩のことも思ったけど、藤原月彦の《乱歩忌の劇中劇のみなごろし》という非常にかっこいい句がまず浮かんだので、これを知ってる上では乱歩句はつくれなかった」
- 813続813なつやすみ
- 男子2人が特選。千野「"813"はアルセーヌ・ルパンシリーズの『8・1・3』のこと。算用数字、漢字、算用数字、ひらがな、の並びがかわいい。ひらがなの"なつやすみ"に小学生の夏休みの読書を思わせるが、大人としても良い夏」 長嶋「小学生の頃に『8・1・3の謎』を読んだが、大人になるとこの『8・1・3の謎』というタイトルも良いとわかる。"続"というだけで(シリーズ続刊があることがわかり、それらが並んだ)書棚が見える。助詞がなく商品名と季語しかないのに。また"続"ということ自体にもぐっとくる。まだ書きたかったんだ!と。自分も『ジャージの二人』の続編を書くとき『続ジャージの二人』としたかったが、"続"がつくと元のほうを読んでない人に興味を持ってもらえないという理由で出版社から断られ、やむなく『ジャージの三人』とした」 米光「"なつやすみ"がひらがななのが、あざとく感じて選べなかった」 長嶋「ひらがなの"なつやすみ"だと(この句に並ぶ『8・1・3』シリーズは)新潮文庫じゃなくてポプラ社だよね」
- 河童忌や暖簾のなくて牛丼屋
- 千野「"〜て"に弱い。前後とふんわりと切りながらつなげている感じがして。牛丼屋に、そういえば暖簾がないなとあとから思ってくる認識の遅れが"〜て"によく表れている。季語"河童忌"のハードさとの緩急がついている」 堀本「もともとないものを、わざわざ"ない"というのがいい。河童と牛が妙に響いている」
- 海の日がないころ海が好きだった
- 松田「海の日は1995年に制定されたばかりの祝日。わざわざ海に対して“前は好きだったのに”と言いたがるひねくれがいい。(好きだった、の対象が)バンドだったら普通だけど、海に対して言っても何も影響ないのがばかみたいでいい」 長嶋「海の日制定以前に、何か海でつらいことがあったってことじゃない?*6 でもこうやって、"海の日"ができたばかりの季語だということがわかる、季語としての新しさも言ってるのが面白い。ただお題の昭和しばりだとしたら、まあ海の日がない頃に昭和はまるごと含まれるが、昭和と決まったわけでもないよなあと思えて選べなかった」 作者である千野さんいわく「まさに昭和しばりとして作ったつもりだったけど、違いましたね……」
- 夏痩せてゆうべの客をまだ厭がる
- 長嶋「言いたいことが終わらないというか、(愚痴を聞かせてる相手の)相槌に満足してない。(聞いてるほうが)相槌を打ちながら俳句にしたためていることも面白い。“まだいやがってるなあ……”という気持ちが字あまりにも出ている。字あまりは、実感がともなうとむしろ効く」 堀本「"夏痩せ"も"まだ厭がる"もネガティブな語だけど、翌日になってもまだ元気に愚痴を言っているようすから体力が感じられて、夏痩せているが元気なんだと。ネガティブとネガティブがかけあわさっているのに、そうじゃない印象が残る」 米光「長嶋さんぽいよね(ここで米光さんが、ナガシマ“まだ厭がる”エピソードをかいつまんで紹介するが、かいつまみすぎて長嶋さんが「そうだけど、そうじゃないんだ」と弁解する流れが。中途半端に書くとアレなんでナガシマユーご本人に会ったときにでも確認してみてください確認するほどでもないですが)」 こちらも作者の千野さんから「三橋鷹女《夏痩せて嫌いなものは嫌いなり》という句があり、それに似てはいけないけど、そこにある気の強さがいいと思って」。
- 焼きそばの名もUFOや夜の秋
- 松田「体が(この句を)とってしまった」 長嶋「それはカップ焼きそばが好きだから、ってこと(笑)? 僕の句会でも、焼きそばっておいしいから、とか言ってとるような人が多くて、好きなものがあれば選ぶみたいな傾向が。そういう句会をやってる」 松田「焼きそばUFOを食べた日は、食べたなあという実感があるから、そのことを言うのがわかる」 "焼きそばの名も"と言ってることから、本物のUFOを見た夜なのか、あるいはUFOの中で焼きそばUFOを食べているのか、という話に。 長嶋「『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』で、拿捕された少年が、UFOからの脱出を試みるためナイフを得ようと、(少年らを捕らえる宇宙人に?)リンゴが食べたいというんだよね。剥くためのナイフがついてくると思って。そしたら出てきたリンゴがきれいに剥かれていてガッカリ、っていうシーンがある*7」 で、作者は長嶋さん。長嶋「これには厳しい理由がありまして、今日このあとテレビの生放送に出る*8にあたって緊張しており作句がはかどらず、目に映るものなんでも句材にしてしまおうと。焼きそば、UFOで字数が稼げる、あとは助詞と季語で、みたいな台所事情でして、だからここまで膨らませてもらってありがたいし堀本さんが逆選なのは正しいです!」 選んでない長嶋さんがやけにしゃべると思ったらそういうことか*9。
- 遠雷や被疑者容疑者ヨークシャテリア
- 千野「これは関西の人間として吉本新喜劇・島木譲二の"しまったしまった島倉千代子"を思わずにいられないですね。まあ逆選つけましたけど句がダメなんじゃなくて、逆選でも披講せざるを得ないので“読み上げさせやがって(笑)”みたいな気持ちになりたくてとった」 長嶋「ダジャレやリズムに終始しておらず、殺人事件がふつうに写生されている。遠雷が、まだ事件の終わっていないことを表している」 ここで被疑者と容疑者ってどう立場がちがうんだろうねという話に。千野長嶋の2人のあいだで某国民的アイドルグループ*10のメンバー2人はどっちが被疑者でどっちが容疑者になったんだっけ……あ、どっちもアレか、みたいな話を。なにかとこのグループでたとえる人たちだなー(国民的ってそういうことなんだな)。
- 夏空へスーパーボール跳ね上がる
- 米光「既視感がある。夏の画(え)を見せすぎている」 長嶋「スーパーボールを一番輝かせたのはキムタクだが*11、スーパーボールのことを言ってみたくなる気持ちはわかる。僕もスーパーボール句をつくっていて、《弾む前のスーパーボールの縞寒し》というのがある。弾む前は弾んだ後のそれとは別のもののようだという実感で」
- 日時計と気付かずにおりソーダ水
- 客席特選2位のこの句。 堀本「日時計ってたしかに気付かない。時間が、経つことを“消えていく”とも言えて、それとソーダ水の泡の消えていくようすに重なって良い取り合わせ」 米光「ソーダ水が“気付かない”というイメージに合っている」 長嶋「ソーダ水って俳句でしか言わない語だよね」
- 「薄荷水かけられハッカー発火す」
- 客票は逆選1位だが堀本さんはとっている。 堀本「俳句は音の面白さでとることもある。薄荷水は季語、ハッカーはコンピューターで悪いことをする奴。薄荷水をかけられ発火するなんてことは人間では起こりえないので、このハッカーはアンドロイドなのでは、とSFチックな面白さが。カギカッコでくくられている目的は……わからない(笑)」 千野「カギカッコは新聞の見出しってことでは。東スポっぽい」
- 誕生日知ってたの?薔薇咲いてたの?
- 長嶋「青子さんの逆選はナガシマの特選の10個分だヨ!」 松田「バラの花を渡されたのかな……。それはいいけど、このやりとりを見せられて気恥ずかしい。見えないところでやってくれればいいのに、と思った」 米光「もらったバラに“咲いてたの?”って失礼だよね」 長嶋「包まれてたら“咲いてたの?”とは言えない」 花泥棒?
- 紙魚のぼりつめて天金崖なせり
- 千野「これはとてもかっこいい句ですよ。紙魚は季語。紙をたべてしまう虫のことですよね」 長嶋「"天金"についてはぜひ名久井直子さんにご説明いただきましょう」 客席の名久井直子さん(浴衣に夏帽子がとてもかわいい!)「たとえば全集や聖書など長く持つことを前提とした本に、汚れや虫の侵入を防ぐためにページのフチに金箔を押す、これを金付けといいます。本の(背表紙以外の)三辺のうち、上側のみに金付けすることを天金といいます」 千野「本に侵入しようとのぼりつめたところに金付けが。この紙魚、キャッツアイみたい」 長嶋「本にのぼっていく紙魚を作者がじっと眺めているという、とても長い時間を感じとれる」
- イメージの歯でイメージの水貝を
- 客席の佐藤文香さん「季語の水貝はアワビ。イメージのアワビを、イメージの歯で、歯ごたえまで思うのがいい。俳句ということ自体がイメージを目的としているから、ふつうは句の中でイメージという語はつかえないものだが、その語を2回もつかっているのに必然性がある。句のチャレンジングを買った」 千野「動詞がないのもテクニカル」 長嶋「面白いなとは思ったけど、自分がまだ気付いていない悪さがあるんじゃないかと思って、選ぶことに責任がとれなかった」 佐藤「この句の責任は、俳句側がとります!」 長嶋「こっちが俳句側じゃないみたいじゃないか」(笑) 作者は堀本さん。堀本「これは挨拶句として作った。松田青子さんの『英子の森』に『*写真はイメージです』という一編があって、イメージがイメージである奇妙さを言っている。それを読んだときにスッと素直にこの句がつくれた」 松田「ほんまや……!」 長嶋「堀本さんの小説『いるか句会へようこそ! 恋の句を捧げる杏の物語』に、よい挨拶句はそれがその人への挨拶句であると気付かれなくても、本人には響くものだっていうくだりがあるけど、まさにそうなったね。青子さんが選んでる。この東京マッハでは毎回、女性ゲストが堀本さんの挨拶句を知ってぽーっとなるっていうのが恒例なんだよ! 西さんときもこうだった!*12」
- 天皇になれず西日やアイシャドウ
- 千野「まず皇位継承権の範囲内にいる人なんだなと」 長嶋「さっきの《イメージの歯でイメージの水貝を》と同様、あやうい面白さを感じる一方で、でもこの句はむやみな信頼がある。(お題の活かし方をみれば)天皇のことを言うのもそうだし、"アイシャドウ"も昭和っぽい」 千野「季語"西日"も動かない。もともと天皇が太陽神の子孫であるという思想もあり」 堀本「宇多喜代子 《天皇の白髪にこそ夏の月》という句があって、ここでも天文が用いられている」 長嶋「この句、じつはタブーには踏み込んでいない気がする。それは"アイシャドウ"のおかげかも。これがうまくメッセージ性を迂回しているというか。この句にマルをつけても刺されない気がする」
など、など、ほかにも取り上げられた句がありいくつか書き切れていませんが、今回も楽しかったです! 次回は10月、飛騨でマッハやるんだって。
作者
- みんな腕時計をみてた夏シャツで 長嶋有
- 脇腹が痛い気がする金魚鉢 米光一成
- 夏空へスーパーボール跳ね上がる 堀本裕樹
- 水中花咲いてこの世をなつかしく 千野帽子
- 「薄荷水かけられハッカー発火す」 千野帽子
- 人類の末期の眼なり向日葵は 堀本裕樹
- エリートの兄に説教される帰省 千野帽子
- 焼きそばの名もUFOや夜の秋 長嶋有
- 藺座布団相棒またも同じ回 松田青子
- コピー機にコピーを忘れ青嵐 米光一成
- ほめられて夏服の裾ゆびで伸ばす 千野帽子
- 日時計と気付かずにおりソーダ水 長嶋有
- 813続813なつやすみ 米光一成
- 飛魚やロケット鉛筆は飛べず 松田青子
- 探偵走るかき氷打ち捨てて 堀本裕樹
- 河童忌や暖簾のなくて牛丼屋 長嶋有
- イメージの歯でイメージの水貝を 堀本裕樹
- 夕立の音大きくて母が泣く 米光一成
- 暑中見舞いですピーシーを踏む猫 松田青子
- 海の日がないころ海が好きだった 千野帽子
- 天皇になれず西日やアイシャドウ 米光一成
- 夏惜しむ音姫たちの三部合唱 松田青子
- キャバリエ図に棲む者ありと黄金虫 長嶋有
- 夏痩せてゆうべの客をまだ厭がる 千野帽子
- 遠雷や被疑者容疑者ヨークシャテリア 米光一成
- 木の実あり内鍵のある扉の下に 長嶋有
- 誕生日知ってたの?薔薇咲いてたの? 千野帽子
- 紙魚のぼりつめて天金崖なせり 堀本裕樹
- ラストミステリーまでいれば夏星 松田青子
- 卓鈴も応ずる声も涼しけれ 堀本裕樹
*1:http://hiloco.hatenadiary.jp/entry/20120710/TokyoMach4 参照
*2:2013年9月16日開催
*3:京大マッハ 2012年11月24日開催 http://hiloco.hatenadiary.jp/entry/20121126/TokyoMach6
*4:2013年7月21日開催
*5:2014年1月27日開催 http://hiloco.hatenadiary.jp/entry/20140127/TokyoMach9
*6:ほかの人がオモシロ解釈している句を、長嶋さんがこういう至極まともな読みでフォローしたことにわたしは驚いて、あ、このお兄さん小説家だったと思いました。
*7:この話、どういう意図でしたんでしょう。「UFOでの食事は印象的」ということ?
*8:『このマンガいいね!BSオススメ夜話』 http://www.nhk.or.jp/yawa-blog/100/192717.html
*9:ガメラの話もそういうふわふわした気持ちから出たのかしら
*10:そういえばちょうどこの時間に27時間テレビの司会をやっていましたね
*11:即またこのグループのメンバーの名が。 スーパーボールが活躍するのはドラマ『ロングバケーション』でのこと。
*12:「西さんときもこうだった」→ http://hiloco.hatenadiary.jp/entry/TokyoMach10