2020/04/02

乾燥機つき洗濯機の中にいる気分だ。昨日はひねもす大雨で今日はごうごうと風が吹き荒れている。桜吹雪が街を覆う。

3月の14日と29日には雪が降って(29日のは積もるほど)、20日〜22日の三連休は初夏の陽気だった。そんで大雨に強風。この春の天気、激しくないか?

週明けからいよいよ在宅勤務となる、とのことで支給されたノートパソコンへの作業環境構築を急ぐ。長い時間をかけて自分好みの環境にしたデスクトップパソコンを離れるのはつらい。アプリを揃えるのも大変だし、フォントとか背景色とかショートカットとか、ぜんぶイチから設定しなければいけない。通常業務も忙しいのに、いちいち「わたくしMeiryo UIでないと文字が読めません!」とか「白背景がまぶしくて仕事ができない!」とか心の中で大騒ぎしつつ黙ってコツコツ設定変更しながら仕事した。

昼休み、駅のほうにある桜のかかる歩道橋まで歩く。スーツの男性たちが、さわれるほど真近にある桜を撮影していた。その男性たちが離れていったのをみはからって、自分もササッと撮った。

するとカメラ画面が電話着信画面に切り替わる。フラワースクールの先生からだった。今週末以降、状況が落ち着くまで当面はオンライン授業にするという。授業の日の午前中に花材が届けられ、授業の動画配信、自分の作品を撮影して先生に見てもらい講評を受ける、という方法になるらしい。いろいろ工夫して「できるだけ今までどおり」を続けてくれてありがたい。たくさんの「できるだけ今までどおり」を続けてくれている人に感謝して家にこもろう。

残業中、夫から「退勤」連絡。わたしは今夜の献立をまだ考えておらず、「なんか買ってすまそう。ごぼうとのらぼう菜を使っちゃいたいけど、なにも浮かばない。なんか買ってすまそう」と献立放棄を告げる。「なんとかやってみる」と夫。

2時間残業し、強風に煽られながらよたよたと帰宅。玄関をあけると、バターの香りにふわっと迎えられた。なにか良いものを作ってくれてる気配。なんだかすごそうだーありがとうたのしみだーと声をかけて即風呂。

夕飯は真鯛のバターソテー、ごぼうにんじん炒り豆腐、のらぼう菜と新じゃがのソーセージ炒め、ささみ春菊のナムル。大ごちそうだ。ありがたい。米飯なし、キリンラガービールを半分ずつ、あとは赤ワイン。

夕飯を終え、黒豆茶をいれてスラッシュパイルの無観客ライブ有料配信『未完結の会』アーカイブを再生。夕飯のあとかたづけをしたり洗濯物を畳んだり爪を切ったり赤ワインを飲んだりしながら、大好きなメンバーがミニゲーム大喜利企画を持ち寄って遊んでいるのを2時間ながめる。今がこんな自粛状態じゃなくて、普通の4月2日だったら年度はじめの忙しさでこのライブに間に合わなかったかもしれないなあ、とアーカイブ配信に感謝する。

スーパー・ササダンゴ・マシーンさんのプレゼンは、有料配信の観客を信じた他言無用なゾクゾクする面白さで、その時たしかに家の中が下北沢の地下スタジオの空気になった。

一方でジャルジャル後藤さんはのほほんと品良く、なにかと奇跡を起こしていてかわいらしかった。ゲームをやる時、コントをやるかのようにちょっと演技じみた話し方をするのも、はあ、好き、となった。

そして"未完結"(=やりかけ、オチまで考えてない)企画を持ち寄るという趣旨のライブだが、フルーツポンチ村上さんは今日この日までに時間がありすぎて、アイデアを紹介するはずが完結(モノを完成)させてしまったと嘆いていたのが良かった。圧巻だったのは誕生花のように366日の"誕生椅子"を考えた、というもの。どの日付にもその日の"誕生椅子"の絵と"椅子言葉"が添えられている。小学校の教室の椅子や図工室の椅子から、銭湯の番台、浴槽のヘリなど、世の中の座れるところをかたっぱしから"誕生椅子"に選定し、絵と言葉をしたためていた。絵もうまいしフレーズのしゃらくささも良い。村上さんは芸人としてはやぶれかぶれのイメージがあるが、俳句も熱心に続けているし、こうして366の椅子の絵を描ききるし(単に時間がありすぎるだけではできない、発想力とやりきる才能がいることだ)、とてもいいなと思って最近好ましく見ている。