チョコレートパイ

  • 朝:ロッテのチョコパイ
  • 昼:ガパオとドライカレーのハーフ&ハーフ(フードトラック弁当)
  • 夜:団子入り汁、トップスのチョコレートパイ

 朝、明け方に帰宅した家主を起こさぬように出勤のしたくをしていると、布団に入ってから2時間も経ってないはずなのに家主が起きてきて、背中や頭をガシガシとなでまわしてきた。会社いきたくない負のオーラを撒き散らして起こしてしまったのだろうか。家主は玄関までも見送りにきて、ちゃんと食べるんだよ、とわたしの上着のポケットにロッテのチョコパイを放り込んだ。
 出勤してみると、昨夜むちゃな依頼をしてきた人が、そのあと真夜中にも早朝にも仕事をしていたのがわかるメールを確認する。わたしに依頼した仕事を、先方なりに整理してお互いの作業手順を書き並べ、関係者同報で送っていた。仕事の作法として当然といえば当然なのだが、きちんと、依頼したのは自分である、彼女にはこれだけのボリュームの作業を依頼している、と明示して展開してくれて少し気が楽になった。この依頼者には何度もキツイ目に遭わされているが、もうだめだ、と思う隙でこういうふうに心を見せてくる。降参して依頼作業にとりかかる。
 会社を出たのは23時すぎだった。21時頃に家主からは夕飯を仕事先で済ませそろそろ帰る旨のメッセージをもらっていたので、自分もなんらかの夕飯を手に入れたほうが良さそうだ、と昨夜とおなじようにコンビニに寄ってみても、もう4時間ばかり水分すら摂っていないはずなのに喉も渇いておらず、5分ほど店内をうろうろして何も買わずに出た。帰りの電車の中で、今夜開催されたライブ『行列の先頭』にジャルジャルが出ていたことを思い出し、疲れているので今夜のライブのジャルジャル写真で癒されたいとツイートする(エンディングに写真撮影OKとなるライブなのである)。するとすぐにたくさんの写真を見せてくれる方々が現れて、それらをホクホクと眺めているうちに血流がよくなったのか、さっきまで喉も渇いていなかったのにみるみるおなかがすいてきた。
 日付が変わる頃に帰宅すると、台所に家主が立っていて、残り物かきあつめ汁、くう?と言う。くうくう、と答える。家主は、うどんやラーメンを食べるときに使っている丼鉢を取り出して(そんな大きな器に!)汁をよそった。きのこや水菜、大根、里芋、生姜に昆布、そして大きな団子がいくつも入っていた。団子どうしたの?作ったの?と訊くと、作った、と家主。なんと。家主こそ仕事で遅く帰ったはずだし、しかも夕飯済ませてるはずなのに。感動して丼鉢に2杯、汁を食べる。と、そのあいだに家主は豆を挽き、コーヒーを入れていた。こんな真夜中にコーヒーとは、と思いながら近づくと、ケーキがある。ケーキの箱にはTopsという文字が並んでいる。白く美しいタルト状のそれを切って食べてみると、中は濃くて軽やかなチョコレートクリームがみっしりと詰まっていた。限定のチョコレートパイなのだそうだ。限定って見かけたから買ってみた、と家主。こんないいものもあるなら汁をおかわりする前に言ってくれ。コンビニで何も買わなくて良かった。
 会社を出てからの1時間ほどで、1日ぶん以上の幸せが一気に押し寄せたなあとジャルジャルの写真を見返しながら眠る。