コーンと鶏のハンバーグ

  • コーンと鶏のハンバーグ
  • 焼きししとう
  • タコとナスの紫蘇マリネ
  • 豚とキャベツ椎茸の春雨スープ
  • ビール(一番搾り横浜づくり)、赤ワイン(シャトー ラ・ヴェリエール)

 家主がご飯をつくってるあいだ、わたしは食卓で懸賞ハガキを書いていた。当たるようにハガキに描いた絵を家主に見せにいって「お、当たりそうだな」と言われて満足してまた食卓でハガキの続きを書いていて、ふと、夕飯どきの小学生と母親みたいだ、と思う。思ってないで手伝え、とこの日記を書きながらも思うが、家主は料理という作業じたいが好きで、以前、手伝われると楽しみが減ると言われたことがあったので、たぶん、これでいいのだ。たぶん。
 寒い日が続くから、サラダじゃなくてスープで野菜をもりもり食べさせてくれたのが嬉しい。タコもマリネもよく食卓に出るようになった。家主が、それまで作ってこなかった料理や使ってこなかった食材を、毎日、わたしのリクエストやレシピアプリのオススメどおりに作ってみて、しくみや特徴を把握して、短いスパンで何度も作ったり使ったりして己の得意にしていってるのが目で舌でわかる。それに対してわたしの心は、嬉しい気持ちとありがたい気持ちが大方で、だけどその隙間に、何も変わらず毎日ただ食べてるだけの自分に対する焦りが生じてきた。小学生じゃなくて33歳だと、どんなに環境が満たされていても自分が成長や貢献をしていないと自尊心が危うくなるものだ。言って何になるというような卑屈なことを言って家主を困らせ、さらに自己嫌悪に陥る。
 どの料理も山ほど作ってくれて食べきれなかったので、「明日のお弁当に持ってこーっと」と大きなひとりごとを言いながら皿を洗っていると家主がわたしの弁当箱におかずとごはんも詰めてくれていた。ごはんにはゆかりもかけてくれていた。
 いただきものの赤ワインがおいしかった。