ミネストローネ

  • ミネストローネ(ホールトマト、セロリ、じゃがいも、キャベツ、舞茸、鶏もも)
  • パン(ガーリックトースト、胚芽パン)
  • きゅうりと生姜の中華和え
  • ビール(黒ラベル

 出勤時、駅に向かう道でもう冬を感じる。ホームで電車を待つあいだに家主へ「今夜はスープでパン食べよう」とメッセージを送った。土曜に買ったセロリと日曜に買ったパンを食べきりたい。「そうしよう、そうしよう」と返信あり。
 20時過ぎに帰宅すると出迎えた家主が左手に保冷剤を握っていた。わたしがこの家に持ちこんだ無水鍋をスープ作りに使ったそうだが、火にかけていたら取っ手の部分が異常に熱くなっていて鍋つかみを用いた上でもヤケドをしたのらしい。なんだかすまない。
 夕飯を食べながら、昨夜から始まったアニメ『おそ松さん』の録画を見た。深夜に1人で見ていたら不安になったかもしれないほどいろいろ盛り込まれた初回で、すごく面白かった。アニメに詳しくない自分でも作品への力の入れ具合がわかる。なんというか、赤塚不二夫が突然「山田一郎」と改名し3ヶ月ほど連載を続けてみたような、そういう意味で正当派な赤塚不二夫イズムを感じた。オープニングもエンディングも何度も一時停止してクレジットを確認したが、日ごろアニメを見ていないので製作陣の誰ひとりわからない。でも、そういうのをまったく知らなくても面白いと感じさせたから、やっぱりすごいアニメなんだろう。家主は保冷剤を握ったまま食事して『おそ松さん』に笑っていた。
 布団にもぐり本を読み出すと、まもなく家主ももぐりこんできた。今夜も仕事するのかなと思ったら、家主の体が眠たいときの赤ん坊のように熱い。家主はわたしに背中をむけて、眠るわけではないといったふうにぽつぽつと話したので、それに応じていると、やがて何も言わなくなり、かわりに寝息が聞こえてきた。布団から出ている家主の左手は保冷剤を持っていた。まだ22時前だったが、わたしも寝ることにして照明を消した。