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花輪を贈りました

東京マッハvol.10。じぶんの結婚式のように気合を入れていたわけは、句会のステージが楽しみだったのと、もうひとつ、人生初の花輪を贈ったからです。
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鏡張りの天上に映る花輪
まだ肌寒い3月のある日、情報が出ました。長嶋有さんの句集『春のお辞儀』刊行を記念して、東京マッハvol.10を開催すると。会場は、「風林会館ニュージャパン」であると。ニュージャパン? ……知らない。でもTwitter上ではマッハズのみなさん(特に長嶋さん)が妙に会場に対して沸き立ってる。ハテ、と会場のサイトをみてみると
新宿歌舞伎町 風林会館5F ニュージャパン|貸し会場・パーティースペース・レンタルホール
ブハー。なんですかこのド派手な会場は! こ、ここで句会!? やばいやばいやばい、頭おかしい、最高すぎてる! しかもゲストが西加奈子さん! やばいやばいやばい、ぜったいわたしのためのやつだ、と、ニュージャパンのサイトを汗ばみながらうっとりと眺めるうち、あることを思いつきました。

これは……花輪を贈ってもいいんじゃないか……?

花輪。そう、それは32年間つづく『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングを毎日にぎわせた寿ぎの表現。花輪や花を贈られるゲストは、もちろんテレフォンショッキングに出るくらいだからすばらしい人なのだが、贈り主というのもなかなか男前に見えたものだ。誰が出ても毎日のように花を贈ってよこすEXILE。知り合いが多く気前がいいということがわかる。あれだけ大所帯なら知り合いも多かろう。EXILEのようにとまではいかないが、いつか自分の知り合いがテレフォンショッキングに出ることになったら、きっとわたしもアルタに花輪を贈ろうと夢を見ていた。しかしその夢も、2014年3月31日で絶たれてしまう。

そんな花輪欲のやり場をなくしていたわたしの前に現れたのが、東京マッハinニュージャパン。なんですかこの花輪くらいじゃ動じなさそうな禍々しいほどに艶やかな会場は。しかも新宿歌舞伎町。アルタが近い。それはおよそアルタに贈るも同然だ。否、同然ではないがどちらにしろ花輪チャンスである。
ふむ、贈ったれ。長嶋有に。

そこからは、ナガシマ読者で句会でも遊んでいる友人らに声をかけ、業者と会場に電話して、北は北海道から南は熊本まで37名の花輪有志に口座への入金を依頼し(あくどい商売じみてきた)、口座の残高を見ては入金確認連絡をし、デザイナーの渡邉佳純さんに花輪計画有志の俳号連名カードの制作を依頼し、東京マッハ主催者にも「花輪贈るのでどうかよろしくね、あとくれぐれも長嶋さんにはご内密に」と一報送るなどして、なんだか無駄に張り切っていました。37人つったらEXILEより多いからさあ。負けてらんないわけさ。

句集『春のお辞儀』の著者略歴に

二〇一四年 同人誌「傍点」を立ち上げる。

と載せることにした、まだ立ち上げてないけど。でも句集は20年に1度出せるかどうかというものだから、ひとまず書いておこうと。と長嶋さんが句集の説明でおっしゃっていた、そのまだ実情は立ち上がっていない同人名を拝借し、花輪計画有志で「傍点一同」を名乗りました。
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長嶋有『春のお辞儀』

ある日、渡邉さんから送られてきたメールの画像をひらくとメッセージカードのデザイン案。わたしの注文は「句集刊行の祝いの言葉と、花輪計画有志の俳号を並べたい」というだけだったのに、それに対して渡邉さんが「花輪は残らないけど、カードを小さい花輪のデザインにしたら一生のこせる」と、花輪型のカードを提案してくれたのです。さすがプロ……!
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終演後に長嶋有さんに渡したメッセージカード。ひらくと、有志の一文字俳号が花として輪を描き、中心にむかってそれぞれのTwitterアカウントが記されている。メールでのやりとりでは気づかなかったけど、当日、会場で販売されている『春のお辞儀』を見て「あ、メッセージカードのグレーと黄色ってそういうことか!」とさらに感動しました。泣かす産業大学……!

4月13日(日)。昼前から実家に行き、母に着物を着つけてもらう。とにかく派手な、なんならあばずれなやつを着せて、と注文するも「あばずれかどうかはわからないけど家紋入りのならある」とあばずれと逆ベクトルの、でも無数の蝶があしらわれた、まあまあ派手な着物を出して着せてくれました。帯をしめているとき母が何と勘違いしているのか「いい人がいるといいねえ」と言いながらぐっと帯を引っ張ったので胸がしめつけられました。お母さんごめんね。

会場につくと、それはそれは、主役のようにステージに鎮座まします花輪様が。いや座ってないか、どちらかというと立ってるな。いずれにしろ大成功ですよ傍点一同のみなさん!!
そのあとは友人らと花輪の前でバシャバシャ写真を撮り、キャバレーごっこで大はしゃぎし、主催者おすすめというお店のベーグルサンドを何度も買っては食べ(なんか、会場の雰囲気に合わないぐらい美味しいベーグルサンドだった。ながら食べできないような。噛みしめて、じっとベーグルを見つめてしまうような美味しさ)、本編の句会を楽しみ、東京マッハvol.10を堪能しつくしました。主催者側がキャバレー跡地を何度も謳っていたからか、会場じゅうがめかしこんでいるのも良かったな。関西から来ているナガシマ読者の若いお嬢さんが肩丸出しのゴスいやつでキメてたんで「アータ、東京で風邪ひかないでね!」と心配するふりをしていっぱい肩をさすってやりました。お母さんごめんね。あー楽しかった! 花輪はずっと堂々としていた。誇らしい。

「花輪おくろうぜ」に「やってやんよ!」と即座にノってくれた全国の傍点一同のみなさん、ひごろ不義理にしているわたしに代わってたくさんの読者仲間に声をかけてくれたうえに「傍点一同と名乗ろう」と提案してくれた酒井匠さん、本当に特別なメッセージカードを作ってくれた渡邉さん、花輪を搬入するのは今回が初めてだというニュージャパンさん、要領を得ないわたしを相手に良きように動いてくれた花輪業者のおじさん、受け入れてくれた東京マッハのみなさん、長嶋有さん、本当にありがとうございました。夢が叶った!いいともー!