浪曼房

夜、新宿浪曼房に連れていってもらった。憧れの浪曼房。小学生の頃、8歳上の姉の部屋にある『本の雑誌』を持ち出して、どうやら漫画っぽいので読んでいた沢野ひとしの4コマ漫画連載『浪曼房物語』、でおなじみの浪曼房。素敵なお店でした。また行きたい。ここに通えるような大人になりたい。かっこいいシャンデリアを見上げながら、たくさん話して聞いて楽しかった。
“どうやら漫画っぽいので読んでいた”というのは、慢性的漫画飢餓にある小学生が、身のまわりにある本から少しでも漫画らしき成分を摂取しようとして、内容への興味や理解とは関係なく書物を貪り読む状況のことです。ご存じ私が愛するブルボン小林さんも

はだしのゲン』は小学校の図書室に置かれていた。原爆の悲惨さを伝える強い教育性あればこそ書棚に置かれたのだろうが、子供が喜び率先して読んだのはそれが漫画だからだ。つまり、原爆のことを知りたいが活字は難しいので代用で漫画を選んだのではない、原爆のことはどうでもよいが漫画は嬉しいから読んだ。教育テレビでもアニメや人形劇だからみるみたいな、漫画への無闇な*1渇望が当時はあった。
ブルボン小林マンガホニャララ ロワイヤル』 ― ゲンの「おどれら」が持つ説得力と魅力

とおっしゃっています。
私の場合、その渇いた漫画欲にしみたのが『本の雑誌』の沢野ひとし吉野朔実の漫画でした。こういうのを貪り読んで、まあ、その後はそのようになりました。

*1:“無闇な”に傍点