東京JAZZ2009 Gala Night

http://www.tokyo-jazz.com/jp/program/index.html
矢野顕子×上原ひろみを目当てに。21時半過ぎにふたりが登場して、そこから90分ほどのステージ。アンコール含めて全部で10曲かな。3年前の人見講堂のステージも素晴らしかったけど、今回は1曲1曲の攻撃力の高さに客ヘナヘナ。観客約5,000人が息を止めた瞬間がたしかにあった。
ひろみちゃん*1の『I've Got Rhythm』は今まで私が(テレビでの披露も含めて)見てきた彼女のどの演奏より、技の激しさも時間の長さも一番だったと思う。なんだろうあれ。嬉しそうにピアノとプロレスしている小さな怪物。これを息もまばたきもせずに見ていようとする観客たちの神経の張り具合すら目に見えるようだった。
その緊張をアッコちゃんの「これでいいのだ〜♪」(『BAKABON』)でほぐされ、今度はぶわっと涙が出てくる。私、この曲に弱いのだ。家の風呂に「ああ〜・・・」と声を出しながらつかっていくような気持ちの良さで、安心して泣いてしまうんだよね。
それから2人による超絶『Rose Garden』。飛んだり跳ねたり弦を叩いたりして、向かいにいるアッコちゃんに「これもやっていい?もっとやっていい?」とたずねるような笑顔でどんどん演奏が激しくなるひろみちゃん。これにアッコちゃんが「いいわよぉー」という感じで応戦。怪物の親子のじゃれあい。とにかくピアノの演奏に使う言葉じゃないんだけど、格闘技だった。
そして最後の最後で出ました『ラーメンたべたい』。まもなく23時にこれ。Gala Night自体が19時開演だから、観客は4時間拘束されてるわけですよ。多くの人が「せいぜい21時ぐらいに終わるだろうから〜、帰りに銀座でなんか食べて〜」って思ってましたよきっと。それをあてにして開演前のおやつなんかも控えめにしてたでしょうよ。私なんて昼食以来なんも口にしてなかったから、超絶演奏とは別の理由でも茫然としてましたよ。そこに「ラーメンた〜べたい♪」だからね。「そのとおり・・・!」って具合に観客拍手喝采。わはは・・・。
チケット代高いなーと思いつつ、この矢野顕子×上原ひろみの前にN饗のステージとウーター・ヘメル*2って人たちのステージがあったことを思うと値段以上のステージだったようにも思います。だがしかし、それぞれ単体で良かったんじゃないかと!!!お祭りだからいろいろ出したのかもしんないけど、みんなお祭りレベルじゃないんだもん。素晴らしいステージを前に「しぬ」と思ったのは初めて。こんな本気でこられちゃあ、観客の身がもたないです。という贅沢な不満を感じた夜。
やあ、しかし国宝モノのステージでした。こんな、私の空腹がどうとかの感想じゃ何にも伝わらないんで、ぜひテレビ放映で確認するといいと思います。BS hi,BS2で放映予定あるらし。詳細わかったらまた書きます。えねっちけーさんは全曲カットなしで放映するように!!

*1:敬意を表してちゃん付け

*2:オランダのジャズシンガー。観客からはアイドルファン的な歓声が聞こえた。彼を知らない身にも、たしかに魅力的なステージでした