http://www.fnm.geidai.ac.jp/lushlife/
なんと私にとって2009年初めての映画鑑賞in映画館。日記読み返す限り、昨年の7月が最終映画館だった・・・。*1
↓感想。映画、原作ともにネタバラス気味。
これ、原作読まずに観たヒトがちゃんと筋を理解できるのか気になる。映像化するところも省略するところも「えーそこぉ?」という感じだったので。
- 冒頭から、河原崎が立ち会う解体作業をわりと長い時間続けていたので(グロが苦手な私は数分うつむくハメに)、「おいおい、このペースで映像に起こしていったら2時間じゃ終わらないだろうよ・・・」と心配したのだけど、その予想ははずれて、なんと解体作業後の河原崎にはほとんど触れないという・・・。
- 原作では解体作業よりも、その後の河原崎のとった行動のほうが"誰かの行為が知らない誰かの人生に影響を与えている"という作品の主題からして重要な気がするんだけど。解体作業という状況が派手だからといって、あれが章のクライマックスであるとは思わないなあ。
- そんなふうに河原崎のその後がうやむやにされてるもんだから、京子たちの乗る車のトランクに、なぜ轢いた死体とは別の死体が入っていたのかの説明もつかない気が。トランクに隠れていた女(サトエリ)による死体への言及を描かないのは観客に不親切過ぎる。ほかにも原作読んでないと「え?なに?」なシーンが多いんじゃないかなー。
- 豊田の章は、うそ臭いぐらい美しいエピソードだけをチョイスして、それを板尾さんがやってるっていうのがこそばゆい。
- 満足したのは堺雅人の黒澤。全身黒の黒沢、感情は顔に出さないけど(でも堺雅人だから基本的に笑み顔)(きゅん)実は人情に熱く、冗談も得意で・・・って、原作よりも存在感のある、だいぶいい男に描かれてた。黒澤の部屋も「わっ、急に抽象的な表現!?」とか思えて極端で面白かったし。
- 黒澤の章も別段、黒澤の人生における事件というわけでもなく、なんとなくラッシュライフワールド全体をまたぎ歩ける、『世にも奇妙な物語』におけるタモリみたいな存在だった。
- 永井努という俳優を知らなかったのだけど、あらまあ(はあと)。現代版・真田広之って感じ(いや真田さんは今もご活躍してますけど)の美しい男性で、この人と堺雅人のツーショットは女性サービスだったのかねーそんなわけないか。
- まーなんというか、ファンたちが作った『ラッシュライフ』イメージビデオって感じかなあ。私は別に原作のファンではないけど*2、スジを知っている身として消化不良だった。まあ消化不良にならない映像化作品なんてめったに出会えないか。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/04
- メディア: 文庫
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*1:たしかに昨年8月から怒涛の終電休出ライフが始まったんだったなあ。まさにラッシュライフ(うまくない)
*2:むしろ原作は読むのが苦痛だった。なにしろ長嶋有を我慢しながら読んでいたのでね!→http://d.hatena.ne.jp/hiloco/20090305/1236222972