今になって夢は再度の日

昨日はユニコーンシャンブル』の「最後の日」ばかりを繰り返し繰り返しで100回ぐらい聴いた。
ライブ前にCDで聞いていたときは、歌詞もろくに見ずに陽気な曲だなーぐらいに聞き流していたのだけど。
だけど武道館で見た、赤いつなぎのメガネ坊主・奥田民生がこれを歌う姿は妙に色っぽくて、そしたら途端に歌詞が頭に胸にズブズブと入ってきて、そこからはもう、歌の世界がわかって嬉しいやら、その世界のせつなさに泣き出したいやら、民生に抱かれたいやらで頭と胸の中がぐるぐるしてとにかく大変だった。
「最後の日」歌詞
これは・・・・・・全然気づかなかったけど別れの曲だったのね。スカっぽい陽気な演奏、鼻歌のように抑揚の少ないAメロ、歌いだしはベタに"ザ・ロマンチック"な情景、そして「裸の僕と裸の君と」「I LOVE YOU HONEY」からの ド直球なサビへの展開・・・・・・を拾って聞いた限りでは、ただのラブラブエロエロカップルの歌だと思ってた。思ってたものだから、「最後の日」なんていう 色気のない字面のタイトルにも興味が向かなかった。
でもその鼻歌Aメロの途中から、実はせつないドラマが説明されだしていたとはね。そのせつなさを前提として Bメロの、言葉もそこそこに肌を求めだすふたりを思うと、なんかもうエロさとせつなさで胸が締めつけられる。
明石家さんまが いつか何かでこんなことを言っていた。「別れ話が済んだあと、玄関で靴を履いている女はとびきり美しい。急にもったいなくなって、もうあと1ぺんでけへんかなと思う」と。これはまさにそういうことですよね?(いや違うかしら?) 様々なゴタゴタに整理がついて、清々しい寂しさに酔っているとき、ふと目の前にある顔とカラダを見れば それは自分が愛した女(男)で、目を見れば相手もやぶさかでない様子。今さらそうなってる場合じゃないけれど、もう意地や見栄を張る意味もないし。こんな以心伝心すら今日で最後かと思うとこれまたせつない・・・・・・みたいなさ!「I LOVE YOU HONEY」は心の底から叫んでるよねコレね。
やあ、まいったね。そんなせつない恋の終わりを、おしり振っちゃうような陽気なノリで「まーそんなこともありますわなー」的に歌われたらさ。さすが40代。年甲斐あるぅ。
ああ。叶うならこの歌、もう一度ライブで聴きたいな。もう一度 奥田民生の「終わらないで、終わらないで」に悶えたい。民生に悶えたいわけだけれども、やっぱりユニコーンのライブじゃないと聴けないだろうな、そりゃあね。ああ。彼らはこの先もユニコーンのライブをやるのかな。あとになってこれほど惹かれるなら、もっとちゃんと向き合っておけば良かったな。

シャンブル

シャンブル