角田光代読了メモ

おともだちにどっさり借りてた角田光代ボン。お返しする前にメモ。

だれかのいとしいひと (文春文庫)

だれかのいとしいひと (文春文庫)

  • せつなさが色っぽい。→感想

愛してるなんていうわけないだろ (中公文庫)

愛してるなんていうわけないだろ (中公文庫)

  • これも短編集かなーと思って読んでたら、作者が20代の頃のエッセイをまとめたものらしい
  • 時代というか世代というか、そのぐらいの年ごろの女性がもてはやされていたんだろうなあ、とか思ったり。レンアイのポリシーが強く、やたらに自信満々な女の子の日記を覗き見ているような気持ち(いつの時代も女はたいていそうか)
  • 私にはあんまりハマらなかったです

太陽と毒ぐも (文春文庫)

太陽と毒ぐも (文春文庫)

  • これがもう!めためた面白かった!これ読んでるときに「いま読んでる本が面白くてさー!」って別のともだちにあらすじを話したら、その人、そのあと、この本買ったらしい
  • この本読んでた頃はさ、影響受けまくって、自分がちょっとした恋愛師匠、いや恋愛仙人になってたような気がしてたのね。自分の周りで恋愛愚痴を耳にするたびに「まー、あれだ、譲れないものってなにか?うん。譲らないことで何を失うか?うん。ってことだよね、うん」みたいなことを言ってまわってたかもしんない。あーあ。あんとき私の恋愛説教聞かされた人がいましたらすいません。本は面白いのでぜひ読むといいと思います。

空中庭園 (文春文庫)

空中庭園 (文春文庫)

空中庭園 通常版 [DVD]

  • これもすごく面白かったなあ。出口なしの彼らの日々にゾクゾクしながら読んだ。語り手のバトンが渡っていくたびに穏やかな悲惨さが加速していって、結局それらは何も解決されてないんだけど、なぜか最後は光を帯びた解放感があるというか
  • 映画は見てないけど、登場人物には映画のキャストをあてはめて読んだ。キョンキョンのくたびれ具合とか*1板尾さんの不甲斐ないくせに飄々としてる感じとかを想像して楽しめました。映画も観たい
  • それにしてもあとがきの石平*2の文章がひどいのなんのって(笑)!これが名前出して書いてお金もらう人の文章か、と。文章なのに二度見させられたもん。最初、誰が書いてるのか名前見ずに読んでみて「むむ...?こ、これはいけないぞ!!本編で上がったボルテージが急降下だ」とエマージェンシー的に急いで名前を見にいってみたら、石平センセイ
  • なんだっけな......前も、何か、メジャーなフリーマガジンの巻末にくそつまんねえコラムが書いてあって、「なんだこれ!?なんでこんな駄文が巻末に!?」と慌てて書き手の名前見たら石平だった
  • でも石平センセイ、売れてるしなあ。ご本人の本は読んだことないですけど、きっとフィクションがすばらしいんでしょうね
  • とかボロクソ書いてるけど、いずれも「えっ!誰だよこれ!?」と読者(私)に慌てて名前を確認させているわけだから、中途半端に面白いライターなんかじゃ真似できない何かがあるんでしょう。むしろすっかり虜ですよ

愛がなんだ (角川文庫)

愛がなんだ (角川文庫)

  • これも、はじめニヤニヤ、なかゾクゾク、赤子泣いてもやめられない、的な。→読後の興奮

ピンク・バス (角川文庫)

ピンク・バス (角川文庫)

  • ↑の『愛がなんだ』のスピード読了もあって、ワクワクしながらこれを開いたんだけど、こんどはコレ、なっかなか読み進まなくて、薄い本なのに2本目の短編の途中でリタイヤした
  • それで、貸してくれているおともだちにおずおずと「『ピンク・バス』は読んでどうでした...?」と聞いたら、あっさり「ああ、あれは読まなくてもいいかもしれませんね」と返されて、なーんだ、そっか、とラクになった
  • にしても1本目の表題作はなんなのか。どうかくだらない夢オチであってくれと祈りながらページをめくっても、それが夢なのか現実なのかは教えられぬまま、とりあえず狂いっぱなしで終わった
  • 努力して作品の意味を解釈しようとすると(しなくていいんだけど)......悪阻(つわり)って、妊婦自身がそれまで吸収してきた毒を一気に吐き出す時期であり、毒が溜まっている人ほど悪阻がひどくなるらしい、というウワサを聞いたことがある*3。主人公のサエコは若い頃、自分探しでいろいろさまよってはどれもハマらず「そんな自分はなかったことに」を繰り返して、ついには10ヶ月におよぶホームレス生活までしたのに、それすらも「コレでもなかった」となかったことにして、結局はフツーのヒトとフツーにケッコンしてフツーにニンシンして、それで悪阻になったとたん、それまでなかったことにしていた毒素が一気に蘇ってああいうふうになったのかなー、とか考えてみた
  • そういう前提で読み返せばちょっとは面白いかもしれないけど、全体的に、楽しい気分にはならない作品でした
  • 2本目にいたってはどんな内容かを把握しないままに読みやめてしまった
  • この本をいちばんはじめに手に取ってたら、角田光代を1冊も読み切らないままだったろうな、と

対岸の彼女

対岸の彼女

対岸の彼女 [DVD]

  • 川面の光のキラキラでとじる、やさしくまぶしい作品でした。非常におもしろかった。→読後の高揚
  • ドラマ版のナナコは、ブレイク前のタベミカコちゃんなんだってね!DVD借りて見なきゃ!

*1:そういえば今号のInRedの『グーグーだって猫である』関連のインタビューで、キョンキョンが「このところ、疲れきった女性の役が多かったんですが」みたいなことを言っててちょっとおもしろかった

*2:いし・だいら

*3:まったくもって何の資料も確認せずに書いておりますので、信じないでください