Rahmens presents Golden Balls Live

  • 8月3日(水)19:00〜/ 於 天王洲アートスフィア

というわけで行ってきました。雑感。
「なんだ賢ちゃん、そういうのもやりたかったのね(嬉)!」が第一の感想。シティボーイズ手法なコントが多々。さまぁ〜ずな笑いを感じさせるコントもあったし、そのほかの芸人たちのネタ*1を思い出すようなところもいくつか。そういうのをあえてわからせるようにしていたんではないかと思わせるつくりでした。これは早く映像で観たい。「映像で観たい」は、私の中でのひとつの褒め言葉です。
sahyaさん*2も書いてらっしゃるけど、“ラーメンズ”という手法やブランドイメージが確立された世界の中で今回のようなことを試すのは難しかったと思う。 ラーメンズのファン(というか私)は、ときとして、素直に「ネタが面白く感じたかどうか」ではなくて「その発想は小林賢太郎らしいかどうか」で脳内議論してしまうことがあるので、本公演へかける期待と気負いがすごい。 でも今回、「これ、本公演じゃないからね?お祭りですからね?」と宣言されてたことで、自分でも驚くほどに期待してなかったし、実際きのうも「いよいよ観られる!」ではなく「今日は天王洲にいかないといけないんだよな・・・」という、移動自体が予定になっていたぐらい。
私は、近頃の「しゃべりすぎる小林賢太郎」をなかなか受け入れられなくて、ここ数ヶ月のインタビュー記事とか一切読むことができなかった。せっかく掲載雑誌を買っても、怖くてそのページを開けないままだったり。 それで周りの方の「この発言はどういう意味なんだろう」という考察だけを読んで、余計に怖くしんどくなって、勝手に小林賢太郎への不信感とあきらめを募らせていったり。ホントばかです。
でもねぇ、きのうの公演を見て、本年度上期に蓄積された、それらの不信感とあきらめが、一気に払拭されましたよ。 既出の手法を試すんでも、ラーメンズがやれば品質が違うんだぜ!展開が違うんだぜ!ということを見せ付けられました。金かけたぜー!細部までこだわってるぜー!というのが気持ちよかったなぁ。
そして、いくつかのKKPを観てきた中で私が「欠点」として感じていた小林さんのギャグ貧乏体質*3が、GBLではひとつの武器になっているなぁとも思いました。 ギャグ貧乏は「思いついちゃった!ひと笑いとれる!」という中堅芸人的サービス精神が根底にあると思うんだけど、ラーメンズ本公演では運びの美しさを重視しているからか、わりとギャグをストイックに削ぎ落としてきていたでしょう*4。 GBLではそれら小林さんの「思いついちゃった!」がふんだんに盛り込まれてて、しかも金箔つきで出てきて。非常ににぎやかで楽しかったです。
小林さんだってドリフやひょうきん族を見て育ってきたんだろうし、彼の学生時代はダウンタウン全盛期だったし、芸人仲間もいっぱいいるし。彼が面白いと思うこと(≠表現したいこと)のジャンルだって、たくさんあって当然だよなーって。それでも「パクリ」と思わせず「オマージュ」と感じさせるのは、それをラーメンズクオリティで差し出されるからであって。
なんかね、やさしくなれそうです。

*1:レッド風・五文字の叫びとかね

*2:id:sahya:20050803:1123086215#seemore

*3:(c)伊集院光。思いついてしまったらハナシを脱線させてでも笑いを挿し込みたい体質をいう。 KKPではこれがストーリーをダレさせていたように感じて、私は受け入れられなかった

*4:それでもやりたいからアドリブが増えるのかなぁ、と