さすがに長すぎるので週末にでもどこか他へ避難させます。が、とりあえず。
- オープニング
- ビーフシチュー
- タクシードライバー24
- 【映像】テレビ出演日記 〔登竜門F/誰でもピカソ/笑金Jr.〕
- なめこジャパン女子プロゴルフ決定オープントーナメント
- 【映像】テレビ出演日記 〔Pooh!/笑金/O-CDTV〕
- 次長課長カバー −林田の女−
- チョップリンカバー −仕分け−
- 【映像】ドナルドが行く
- ニコニコ弁当
- 素人のど自慢大会
- リクエスト総数第一位 −肉まん−
- エンドトーク
※次長課長カバー、チョップリンカバーのコントタイトルおよび映像タイトルは仮称
客入れBGMは『BE MY BABY』(COMPLEX*1)。会場も落ち着き、客電が暗くなり、BGMのボリュームが上がって・・・
- オープニング
- 決めた姿でたたずむ2人。真っ白なスーツの松田大輔。真っ赤なスーツのハチミツ二郎。首には羽のロングマフラー。 「どうもー、東京ダイナマイトです」「今からコントをやります」
- ビーフシチュー
- 「いらっしゃいませ」「ビーフシチューを」「・・・パンかライスは」「ライスで」。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・何かを打ち明けたい店員。 贅沢なまでの沈黙。
- タクシードライバー24
- 男(ハチミツ)が乗り付けたタクシーの運転手(松田)は新宿訛り、でも道がわからない、乱暴な運転をしていると思ったらエンジンすら入ってない、などのベタベタなタクシーコントに「大の大人が2人で何やってんだよ」と乗客(ハチミツ)。 そんな平和だったはずのタクシーコントが、その後・・・。
- 【映像】テレビ出演日記 〔登龍門F/誰でもピカソ/笑金Jr.〕
- テレビ出演時、そのとき俺らは何を思っていたか。松田大輔が語る、東京ダイナマイトテレビ出演日記。 「登龍門F。相方のハチミツ二郎がなかなか来ない」 「たけしの誰でもピカソ。この日の殿の評価により、以後『世界のたけしも大絶賛』のキャッチコピーがつく」 「笑いの金メダルJr.、優勝。調子に乗った俺らは、その日の夜、さっそくサングラスと深い帽子を買った」
- なめこジャパン女子プロゴルフ決定オープントーナメント
- 「2004年組には負けないかんね!」 後輩(ハチミツ)に厳しい松田先輩は、いまだにチャーシューメンの"メン"で打ってしまう。 それにしてもこのコントタイトル、この先輩の演技。ネプチューンへのオマージュだろうか。
- 【映像】テレビ出演日記 〔Pooh!/笑金/O-CDTV〕
- 「Pooh!出演。相方のハチミツ二郎は白石美帆の腕にさわり、この笑顔。 『白石美帆、絶対俺のこと好きだぜ』(ハチミツ)」 「笑いの金メダル。調子の乗った俺らは、ヒロシに敗退。(負け部屋でのブレンダおばさんネタは)サップにウケた」 「O-CDTV。この日の打ち上げで、次長課長、チョップリンたちと意気投合。彼らのネタをカバーしたいと持ちかけると、快く承諾してくれた。そして実現したのがこのコントだ」
- 次長課長カバー −林田の女−
- 場末のカラオケスナック。赤いドレスの女(松田)は語る。B'z『LOVE PHANTOM』の前奏にのせて、語る、語る、語る。 「私、ヤクザの女やねん・・・」「私、林田には内緒やけど弁当屋で働いとるんよ・・・」「私、『今や』思うて、林田からチャカを借りたら・・・」 いらない、何も。捨ててしまおう。君を探し彷徨う MY SOUL・・・ チャカを借りると歌い出すしくみ。
- チョップリンカバー −仕分け−
- 「これは大丈夫なやつだろー?」「大丈夫じゃないやつは全体の2割程度だから」 仕事とは概ねこういうものです。
- 【映像】ドナルドが行く
- 誰からも愛されるマクドナルドのキャラクター・ドナルド(松田)。 渋谷のマックを飛び出せば、ほら、大人気。道行く姿も写真に撮られるね。 電車に乗ろう、子どもたちとも握手をしよう、占い師になろう、ロッテリアに入ろう。
- ニコニコ弁当
- 仕分け作業も一旦休憩。おい、弁当買ってきてくれ。 「班長、大変っす。ハンバーグとからあげが一緒に入った"ヤング弁当"ってのがあるんすけど」 好奇心旺盛であるがゆえ、なかなか買出しにいけない後輩。
- 素人のど自慢大会
- 出場者は186歳(ハチミツ)。でも歌は「トミーフェブラリーで『je t'aime ★ je t'aime』」。 おじいちゃん、ちょっと声が小さいかなー。え?何?「・・・チェッカルズなら歌える」チェッカーズね。ルはいらないから、おじいちゃん。 チェッカルズ熱唱のおじいちゃん。
- リクエスト総数第一位 −肉まん−
- 漫才。この季節に肉まんがほしいと譲らない客(松田)。しかし肉まんはあいにく切れている。ほかの中華まんならあるのだが・・・。面倒な客を説得するコンビニの店員(ハチミツ)。「カレーまんは、もうこれ、ほぼ肉まんです。カレー味が気にならない方なら」
- エンドトーク
- 「俺らブレイクしてるよね」そんなブレイクしてる彼らのライブの客層は「ブスばっか」。「美人はマセキライブとか行くから」。
ライブ当日、会社の昼休み。閲覧していたゆる〜い情報サイトに「今日はハチミツの日です!」と書かれていて、「おー、ハチミツの日にハチミツ二郎さんを見られるなんて、なんたる偶然」とポリアンナのように小さな幸福を見つけて浮かれていたのだが、ライブ会場に行ってみたらアンケート用紙にしっかりと「8月3日(ハチミツの日)」と書かれていた。くっだらねぇこだわり(褒)。 会場はやはり男性客が多く、女性客がいればそこに目がいくほどの比率。 当日券は売り切れたらしいけど、どこに立ち見客がいるんだろう・・・と見回したら、椅子席最後列の後ろにぎゅうぎゅうと立ってる人たちが見えた。 北沢タウンホールは初めてだったが、天井が高く音響も良い。また椅子席の間隔にゆとりがあったので非常に観やすかった。
鑑賞中にずっと頭をめぐっていたのは「この人たち、どこまで深く仕掛けてきてるんだろう・・・」という思い。 各ネタの内容を大雑把にいえば、レストランコントもタクシーコントも先輩後輩のやりとりも、実はおなじみのベタ設定。 では何が新しくて何がオリジナルなのかと考えると、分析めいたことをするのは無粋だと承知のうえで書くけれども、彼らは"笑い"という表現形態を客観的に風刺したり称賛したりして楽しんでいるのではないか、という印象。 一応、ネタの構成として松田大輔がボケ、ハチミツ二郎がツッコミを担当しているのだが、厳密にいうと松田が「純粋なボケ」でハチミツ二郎が「解説ボケ」ともとれるような。 無茶をするタクシー運転手や理不尽に金を要求する後輩の非常識さを指摘(これが純粋なツッコミか)しながらも、「でも俺は、一度乗ったら降りないタイプだけどね」「でも俺は、金を払っちゃうタイプだけどね」とネタを続行にしむけるような発言がところどころに出てきて笑った。 彼ら自身がすでネタにしているキャッチコピー「世界のたけしも大絶賛」とはこのあたりのことなんだろうか。 たけしなら、一般的なタクシーコントを見て「そんなに嫌ならさっさとタクシーを降りりゃいいのに、なんだかんだ言いながらつきあってるのがおかしい」とか言ってそうだ。 舞台と客席が常識外のルールを当然のように共有している"笑いの世界"って面白いよね、というメッセージでも込められてるのかもしれない。たぶん全然違うと思うけど。
ただ、この「"笑い"という表現形態で遊んでいる」という仮定をもってネタを振り返ると、合点のいく節は多々ある。 上のあらすじにも書いたが、『なめこジャパン女子プロゴルフ〜』で松田が演じた先輩の女の子、これがもう、絶対にそれを意識して役づくりしているとしか思えないほどにホリケンだった。目をぎゅっと閉じ、体をクネらせながら「お前はホントに役立たず、もしくはラズマタズ!」「サボりまくりくりクリスティーかよっ!」と語調一点突破の意味不明なフレーズを甲高い声で押し出し叫ぶあたりが特に。文で説明するとわかりづらいが、端的に言うと「ホリケンが憑依していた」。 そう考えると、この『なめこジャパン女子プロゴルフ決定オープントーナメント』という冗長なコントタイトルでさえもネプチューンらしいような気がしてくる。
次長課長やチョップリンのネタをカバーするという発想も、「俺たちオリジナルの笑いで笑わせなければ」と内部に攻めがちな芸人が多い中で(というか表現者を目指すならそれが普通だと思う)、「意気投合したので」「面白そうだったので」という挨拶のみで実現してしまうあたり、もう・・・*2。 本当はそんな単純な話じゃないのだろうが、力まずさらりと「やってみました」な感じがかっこいい。 と、ここまで力説している私は次長課長のほうもチョップリンのほうも元ネタを一切見たことが無い。だからこのカバーの素晴らしさをまだすべて味わっていないのだ。「これはカバーなんだよな」と頭で思いながらも、実際は東京ダイナマイトのオリジナルのような感覚で見ていた。カバーが初見となってもあれだけ笑えたのだから、元ネタを知っていた人はどれだけ面白かったことか。
ライブ構成がまた素晴らしい。 ネタはそれぞれが独立した作品として面白いのだが、実は他のコントや映像ネタと伏線を張っていたり、ネタ中のセリフがライブタイトルに通じていたりという隠し味が嬉しいところ。 映像ネタ『テレビ出演日記』でも紹介されたビートたけしの発言「(東京ダイナマイトの笑いは)築地の高級寿司屋の寿司職人が、休みの日に行く足立区の小さな寿司屋という感じ。もっと広く笑わせるなら、マクドナルド(のように手軽に一般ウケする芸風)にならないと」を受けて、その次の映像『ドナルドが行く』につなげているのもすごい。世界のたけしをフリに使うなんて。「だからそういうことじゃないよっ(笑)」と、これまたたけしが喜びそうな遊び方だ。
BGMも「なぜ(笑)!?」の『BE MY BABY』で始まったのに、幕間はNick Woodの『PASSION』*3で妙な躍動感が流れる。 ナンセンスコントでポカーンとしたあと『PASSION』の熱い合唱で迎えられ・・・の繰り返しの中で、いつしか感動を錯覚しはじめた私は、ライブが終わりに近づいていくたびにせつなさに襲われ「どうか終わらないで・・・!」と本気で願っていたのはここだけの秘密。 それを『Dancing Queen』で締められちゃ、もう泣きながら拍手するしかないじゃないか。泣いてないけど。 しかし影響されやすい私のこと、これからのオリンピックの季節、いたるところで流れるであろう『PASSION』を耳にするたびに、この日のライブのシーンがズワッと蘇ってくるんだろうなと予想すれば己の単純な性分も得に思えてくる。
松田大輔という人は、上記ホリケンのほかにも、脈絡なく瞬間的に欽ちゃん口調になったり、「誰かは思いつけないけど、こういうしゃべり方の人いたなぁ・・・」と思わせるような演技を見せたりと、器用なプレイヤーぶりを発揮。 彼の基本モードは(テレビで見た人はわかると思うのだが)アゴをひいて顔筋を歪め、こもった声でしゃべる、あのレスラー口調らしい。あれも誰かを意識しているのだろうか。 しかしエンディングの隙間で見えた彼の素は、今までのくどいキャラクターが別人であるかのようなさっぱりとした好青年。その職人気質に惚れた。
ハチミツ二郎という人は、つねにその笑顔を崩さない。太っているから頬肉が盛り上がって笑ってるように見えるだけかもしれないが、あの細い目でどこまで見据えているのかが読めなくて素敵だ。 公式サイトの日記やグッズデザイン、映画の撮影を担当しているところを見ると、彼が東京ダイナマイトの頭脳なのだろうか。 『Pooh!』出演時*4、彼の足のくるぶしに赤い象の刺青を見て以来、この文章のはじまりと同じように「どのぐらい深いところまで仕掛けていくつもりでいるんだろう」と少し怖くなったのを覚えている。
まぁとにかくそんなところです。えへ。いっぱい書いちゃった。ハズい☆*5
にしても、ブームとはいえ、日々目にするもの耳にするもの、どれもがクオリティ高すぎて体力持たないです。本当に。
笑い死になら本望さ。