チョップリン初東京単独ライブ『BOOK』

  • 7/31(土) 14:00開演 / 於 新宿スペース107

開演間際に会場入り口で細川徹五月女ケイ子コンビを発見。今年のシティボーイズライブで一緒だったからだね。 会場内で会った友人には「きたろうさんと、東京ダイナマイトの2人が来てるよ!」とも教えてもらい、振り向くとハチミツ二郎さんの姿が。ぉぅ、来週はそちら*1に行きますんで。

チョップリン初東京単独ライブ『BOOK』
※コントタイトルはすべて仮称です

  1. 三日月のおっさん
  2. 迷子 in NewYork
  3. ツイントイレ
  4. ヒップホッパー
  5. 仮装大賞
  6. 出所!オンエアバトル
  7. 社内恋愛
  8. バスケ
  9. 憧れのSONY
  10. テポドン
  11. 親友の姉ちゃん
  12. 【エンドVTR】犬と小林
三日月のおっさん
中学受験にむけて、今夜も遅くまで勉強。 すると窓の外から口笛が。窓を開ければ、空にはおっさん、ギターにバスローブ。
迷子 in USA
初めてのアメリカ旅行。ホテルまでの帰り道がわからない・・・誰かに訊かないと。 通りかかるアメリカ人、心なしか胴が長い。つねに首をかしげたアメリカ人、何を言っても無表情。でも親切。
ツイントイレ
客先のトイレに入ってみたら、便器が向かい合わせに。赤の他人と向かい合わせ。どうしたらいいんだ。
ヒップホッパー
真夏の公園、昼休みにダレるサラリーマンのもとに現れたヒップホッパー。「明日、ダンス大会やねん」 大会用の選曲に悩むヒップホッパー。   「L⇔Rがええんちゃう。そしたら俺、絶対観にいくから」とサラリーマンのアドバイス。 
仮装大賞
番組の趣旨をよくわかっていない出場者たち。 おにぎりをにぎってみせても、それは仮装とはいいません。 海苔を巻いても。
出所!オンエアバトル
とある鑑別所。少年Aと少年B。目元は隠されている。 今日はネタ見せ。客にウケたら出所できる。 でもあんまり賢くない少年たち、なかなかネタを進められない。「おい、西野恭之介」「本名で呼ぶなやー」 「256番」「番号もやめろやー」 彼らのコンビ名は"隣町の鉄工所"。
社内恋愛
俺は恋をしている。今年入ってきた新入社員の西野くんに恋をしてしまった。そう、俺は何を隠そう、ホモだ。   西野くん、俺のためにコピーをとってくれ・・・明日も、あさっても、ずっと・・・。
バスケ坊主
港に佇むチンピラ。手下たちに電話で仕事の支持をしている。 そんな彼のもとへ現れたのは、バスケ坊主。「体育館、どこ?」 坊主いわく、本日は他校との試合があるそうな。しかし自分の学校の体育館に行ってみたらバレー部が普通に練習をしていたとのことで「きっと対戦相手の学校でやってんねん」「でも対戦相手を知らんのや」 ・・・チンピラの俺に言われても。
憧れのSONY
就職活動生。今日は憧れのSONYの面接。 面接室のドアを開けると、そこには『SONY』ロゴの土管が転がっている。 「・・・?」 土管を覗いてみると、中から突然、ダンボールハウススタイルのおっさんが飛び出してくる。 「誰ですかあなた!?」「SONYの人事部長や」「人事部長さんが、どうしてそんな格好・・・」「SONYは自由やねん」
テポドン
俺は予備校生。今年の春、志望大学に落ちて2年目の浪人生活。次こそはがんばって、来年には絶対大学生になるぞ!   ・・・とそこへ、北朝鮮が放ったテポドンがーっ!!!!  「うがっ!」 キャッチ!俺、キャッチした! 「予備校生をなめんなよ!」
親友の姉ちゃん
親友・小林の姉ちゃんは少し変だ。 今日も小林んちを訪ねてみたら、姉ちゃんしかおらんかった。2人きり、いやだなぁ。 小林の姉ちゃん、僕に『ジャンケンの出し方』とかいう本を薦めてくるし、僕の髪の毛の本数を数えてくるし、しかもちょっと少なめに数えてるし、その数をダルマの目に書き入れるし、おやつにマヨネーズ食ってるし、ケチャップで味つけしてるし、マヨネーズがスカートに垂れてるし・・・。 小林のやつ、早く帰って来へんかなぁ。

チョップリンコントはほぼ初見。あらすじ書くの、すっごい難しい。こんなんじゃ全然内容わからないよ。だって書いてる本人もよくわかってないんだもの。
なんというか・・・呆気にとられる面白さ・・・といえばいいんだろうか。こんなに置いてけぼりにされているのに「面白かった」のが不思議な感覚。 安易にシュールと言ってしまえばそれまでなんだけど、シュールと呼ぶほど深みや計算があるものなのかと問われれば「さぁ・・・」。 不条理な状況が西野のベタベタなツッコミによって、とりあえずコントの体(てい)を保っているという感じ。
オトさず流しっぱなしのコントや、チョップリン2人の生命力の薄そうな演技。これをテレビで見たなら「無気力」とだけ映るんだろうけど、しかし実は舞台美術がものすごく凝っており、幕間BGMにもセンスのいいジャズやヒップホップが選ばれている。幕間VTRは特になく、スクリーンに"CHOPLIN"のロゴが映し出されているのみなのだが、このシンプルさが力強くて格好いい。


お気に入りのコントは『SONY』と『テポドン』。 面接室に転がる土管のSONYロゴ、VAIOロゴに抜かりがなくて笑った。ホームレス姿の人事部長が「SONYは自由やねん」って、皮肉なのか単なる履き違えなのか。 『テポドン』に至っては、コントとして2分もなかったんじゃないかという、ショートコント並の短さ。落ちてきたミサイルはデザインも凝っていてカラフル。それなのに、なんの脈絡もなく落ちてきて西野がキャッチ、「予備校生をなめんな!」→暗転、の10秒も出てなかった。スリに遭ったような気分だ。
ちなみに『ヒップホッパー』での選曲は『ベートーベン/月光』『L⇔R/Knockin' On Your Door』『小田和正/Oh!Yeah!』『コメディNo.1アホの坂田』『三輪明宏/ヨイトマケの唄』『猫ふんじゃった』。狙いが不安定すぎて困惑したのだが、これもチョップ流なのだろうか。
エンドトークでは西野さんがコントと同様にハキハキとしきり、その横に小林さんがモッサリと立っていた。西野さんいわく、この回(昼)の小林さんは噛みまくりだったらしいのだが、どれがミスでどれが演出なのか、初見では判断がつかないほどナチュラルだった。いいことなのかどうかは知らないけど。


会場の席は椅子と椅子の間隔に余裕があり、とても座りやすい。客層も見た限りでは大人ばかりで、落ち着いた雰囲気だった。 注目されている関西芸人の初東京公演とあってか、約180席の半分が関係者席(ノー誇張)なのには驚いた。 席の前列には関西から駆けつけたという熱い遠征ファンが並ぶも、騒がず静かに東京での彼らを見守っていたのが好印象。
手放しで「チョップリンって面白いからライブに行ってみなよ!」と誰かれ構わず誘えるような笑いではなかったけど、ハマったら抜けられないんだろうな。次回の東京公演も行こうと思っている私も、片足をやや取られているところで。

  • 追記

id:cheez09さんの感想で、チョップリンがファンに大切にされているのがわかりました。(→id:cheez09:20040731#p1)私たちも負けちゃいられないわ。

*1:東京ダイナマイト単独ライブ『ユナイテッドステイツ オブ ニッポン』。http://www.tokyodynamite.com/ チョップリン次長課長のカバーをするらしい。楽しみ