JR埼京線

いま新宿駅埼京線のホームから車両に乗り込んだのだけれど、ちょっとした事故に巻き込まれて呼吸が穏やかでない。
この車両がホームに入り停車して降車客がなだれ降りてくる際、そりゃ朝の満員電車ですもの、乗り換えだ改札だと急ぐ大人たちには押し流されまいと少しは構えていたのですけれど、まさかドアが開くなりオッサンが飛びかかってくるとは思いませんでした。年の頃60に及ばない、背が低くてスッキリはげてて太めでメガネの会社員風オッサン。そのオッサンが私に飛びかかり(ぶつかってきた、とかではない。手を広げて真っ正面から飛びかかってきた)、なだれる降車客の勢いもあって私は、オッサンに押し倒される形で朝の新宿駅埼京線のホームに尻もちをついた。しかも倒れた私、の上のオッサン、の上に、オッサンと同年齢ぐらいの男性が2人飛び乗ってきたのですよ。
この非常事態、早く誰か私を助けてちょうだい、オッサンたちをどかしてちょうだい、と周りを見回してもそこは朝の新宿駅、誰も見向きしないし、それどころか急いでいる彼らは尻もちをついた私のだらしなく放られた手足をとても邪魔そうにまたいでいきはった。が〜っ卍
オッサン布団からなんとか抜け出して立ち上がり、何くわぬ顔で尻と手の砂をはたきながら私は「おい・・・駅員すらも来ねぇのかよ・・・」と車両のそばに立つ駅員に目をやったのだけど彼はまったくこちらの事件に気付いている様子はなく、というかこんなに長々と書いてますけど実際にオッサンが飛びかかってきてから私が立ち上がるまで、これは時間にすれば5秒程度のことなので、駅員さんが気付かずとも仕方のないことなのです。でも痛かったよ!怖かったし・・・ヘタしたら線路へ転がり落ちてたかもしれないと思うと・・・ねぇ。
ようやくカラになった埼京線の車両にゆっくり乗り込み、窓からホームのオッサンたちの続きを他人の顔で見ていると(いや初めから終わりまでずっと他人なんですが今あった騒ぎなど何も知らないような表情という意味です)、ホームの彼らはなにやら取っ組み合いのケンカをしている様子。ケンカというか、後から乗っかってきた2人の男性が、小太りハゲメガネのオッサンを押さえ付けて鞄でぶったり膝で蹴ったりしていた。オッサンはというと、彼は反撃もせず、ただただ手を横に振って「違います、違います」のジェスチャーを繰り返すのみ。きっと車中でスリ疑惑をかけられたか強くぶつかるなどして言い争いになったか何かなんだろう。キャストから見て痴漢ではないと思うのだけど、このご時世だもの、何があっても、ねぇ。サラリーマンは大変だ。
しかしやっぱり誰も彼らを振り向いていなかったし、駅員も止めに入る様子はなかった。東京コンクリートジャングル。
時間になり埼京線は発車、音もなく離れていくオッサンたち。さよならコンクリートジャングル。

あと、いまはすでに赤羽駅から高崎線に乗り換えているのですけれども、桶川駅の発車メロディはなんですかあれ。山手線の駅のそれのように澄んだ音色が細やかに流れていたはずが、最後の決め手の一音で思いきりハズしているといった調子。意図的な音痴。コントなら乗降客がズッコケるところ。募る不安の高崎線
きょうは群馬で人と会います。